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平成31年 第1回竹田市議会定例会

施政方針

平成31年3月1日

平成31年竹田市議会第1回定例会を招集申し上げたところ、ご繁忙の中ご参集いただき、厚くお礼を申し上げます。
さて、市長として信任を受け、まもなく10年になろうとしております。
この間、私は一貫して『内に豊かに 外に名高く』、つまり「住んで良し 訪れて佳しのまちづくり」の政策理念のもと、基礎自治体の自立を目指して参りました。

竹田らしさ、竹田の個性を創造すべく、TOP運動を基軸とし、これまで撒いてきた種が芽吹き、市内各地域で花が咲き始め、それぞれの地域が持つ力や特色が際立ってきていることを実感する今日この頃であります。
岡城址、城下町、久住高原、優れた農業基盤、そして長湯温泉をはじめとする温泉群。九州本土のほぼ中心部に位置し、コンパクトながら世界に通用する潜在能力をもった竹田市であることから、トータルコーディネーター、つまり総合企画の力を備えた行政が市民とともに挑戦すれば、必ずや全国レベルの魅力を有する自治体として発展させることができると確信して全力を傾注して参りました。
就任以来この10年、幸いにして災害復興を成し遂げられていることは国・県はもちろん、議員各位、そして市民の皆様のお陰であります。
緊急治水ダムの稲葉ダムの完成に続き、待望の玉来ダムもいよいよこの3月16日に定礎式が予定されており、安心安全なまちづくりを実現できることになります。

そして、懸案でありました中九州横断道路は25年の歳月を要しましたが、去る1月19日に無事竹田市・鏡まで開通しました。加えて、熊本に向けても南ルートが決定され、インターチェンジも国道442号線(鹿口)、国道57号線(松本)、そして荻地区に予定され、波野地区まで入れると、20キロの間に4つのインターチェンジが備えられることになります。異例の充実した整備でありますが、すべてが完成するには20年の歳月がかかります。インターチェンジができるごとにその地域は飛躍的に活性化されます。それはこれまでの大野、朝地の例を見てもおわかりのとおりです。つまり、地域の魅力づくりをやらない限り、道が通ったからと言って発展するものではありません。
だからこそ、公有化が進む岡城の魅力づくり、城下町の商店街の奮起、そしてインバウンド誘致の可能性が高い久住高原や長湯温泉のクアハウスの活用など、時代の要請に戦略的に対応すること、さらには大蘇ダムなどのインフラ整備を活かした農業振興、そして七つ森古墳群や道の駅のスキルアップ。多種多様な戦略を以て観光客に足を向けてもらう取り組みが求められています。
もっと身近でわかりやすい戦略は、たとえば、荻のインター周辺に道の駅を作るなどの具体的構想を打ち立てて実現を目指すことです。いま、トマトちゃんが頑張っていますが、将来的にはおおいた牛をはじめ、トマトやピーマン、スイートコーンや高原野菜など大分市や熊本県にも知名度の高い竹田市の秀逸な農産物の生産拡大や加工品の開発などを準備しておくことです。大蘇ダムの完成は平成32年度です。28億円の負担金をどう支払うかも国の大きな支援が内定しているところであります。やれること、やれば未来に展望が開けることは、今から積極的に始めることです。
これまで、行政はハード整備を含めて先導してきました。それも住民の力が添えられなければ持続可能な経済発展には結びつかないということを肝に銘じておかなければなりません。
もう一度申し上げます。行政がやるべきことは、国や県の力を導入して進めてきました。あとは住民のやる気があればという次元まで来ているということであります。
ただ、現実的には高齢化や生産人口の激減で前に進めないという実態があります。だからこそ、農村回帰運動で若者たち、後継者たちの移住定住を促し、就農の支援をどこよりも手厚く予算化しているのです。
伝統的な工芸を復活させるための作家たちの移住を支援しているのもその政策の一環であります。いま城下町で注目を集め、新たな挑戦をして全国的な活躍で城下町再生を担ってくれているのは、ほとんどがそんな若者たちです。
地域おこし協力隊が全国でトップの規模を誇っている竹田市。彼らの力がマスコミで頻繁に取り上げられているのはご案内のとおりです。
高齢化・過疎化の進行を止めるというのは目標としてはいいものの、現実に向き合えば不可能だと覚悟を決めることです。だからこそ、才能ある若者たち、意欲ある世代の起業化を危機感を以て後押しすることが大切です。
河合雅司さんの著書『未来の年表』をめくるまでもなく、「われわれは人口が減少していくという、世界史においても極めて特異な時代を生きている」という認識をもって時代を先取りしていかねばならないと、そう思っております。
さて。気になる少子化です。その対策では、「ロタウィルス」や「おたふくかぜ」等の無料接種、中学生までの医療費全額無料や子育て応援券等の市独自事業の継続、また2月に閣議決定され本年10月から始まります幼児教育、保育の無償化も、法改正の主旨にのっとり、完全実施して参ります。
また、認定こども園の整備事業や荻放課後児童クラブの建設事業も予算化いたしました。
次に、移転完成間近な子ども診療所につきましては、竹田市議会にあっても「こども診療所対策委員会」で並々ならぬお力添えを賜ってきましたこと、この場をお借りして心から感謝申し上げます。特に議長、副議長におかれましては、連日連夜のご対応をいただき感謝の念に堪えません。
私どもも保護者皆様の署名活動などをしっかりと受け止め、現医師との対話を図りながら、こども診療所の継続を実現すべく最大努力を重ねて参ります。

一方、高齢者対策としては、社会福祉協議会や17地区社協と連携した「よっち話そう会」の開催や、住民主体の助け合いの拠点であります「暮らしのサポートセンター」の活動は全国モデルとなって注目を集めていますが、それを支えてくれているのは地域ボランティアの皆さんの力です。つまり、これからは住民同士の支え合いがなければ地域が成り立っていかないということであり、まさしく「我がこと・丸ごと地域共生社会」の実現を目指した取り組みを進めます。
中山間に位置する竹田市では、高齢者の交通対策も喫緊の課題です。ドア・ツー・ドア方式による予約型乗合タクシー「カモシカ号」の運行エリア拡大のための方法も研究して参ります。
また今年度は、第8期の介護保険事業計画策定に向けての実態調査を行います。
温泉の活用による介護予防事業などを取り入れ、多様化するニーズに応えながら介護保険事業の拡充や医療保険との連携などを視野に入れた計画策定に取り組んで参ります。

移住定住の受け皿となる住宅政策では、昨年の定住促進住宅に引き続きまして、「中九州横断道路 竹田インターチェンジ」の開通に伴う、「中九州ニュータウン」の第1次希望受付を開始しております。
ふるさと納税を活用した様々な応援助成事業も組み込んだことが功を奏し、移住政策の柱となるこの事業に既に7区画の予約が入っておりますので、今後、対象範囲を拡充しながら、2次、3次の募集を行って参ります。
居住環境に恵まれた竹田で生活し、中九州横断道路を使って大分方面へ快適に通勤するという新しい暮らし方を提案して参ります。
さらに、空き家バンク等を通じての移住者は、これまで231世帯413人に上り、登録者数は1,240人と当市のシンボリックな政策となりました。
街並み環境整備事業による魅力ある風景の創出、チャレンジショップ事業やアルベルゴ・ディフーゾ、いわゆる『住むように泊まる』という街中分散型ホテル事業など、民間の力による新しいスタイルの事業が立ち上がってきました。
城下町再生を経済的な面から切り込んでいく「まちづくり会社」をフロート構想の現場のプレーヤーとして位置付けました。すでに商店街、商工会議所等とも協働して、竹田市のファン人口の増加、城下町のみならず周辺部の居住人口の増加を目指し、竹田らしいまちづくりを推進しているところであります。

次に、基幹産業の振興についてであります、
農業算出額では、直近公表データで239億円を記録し、他市を大きく引き離し県下トップでありますが、農業従事者の高齢化や担い手不足など全国的な課題同様に当市でも喫緊の課題と捉えております。
我が竹田市において、地場産業の要である農林畜産業の振興は大命題であります。これまで通り国県を通じた補助事業である、中山間地域等直接支払交付金事業、多面的機能支払交付金事業や農地の基盤整備を行う土地改良事業による経営基盤の安定化、そして活力あふれる園芸産地整備事業等による大規模施設の導入支援などはもちろん、市独自事業であります親元就農支援給付金、農業後継者雇用安定対策事業を継続して推進します。
また、担い手不足にあえぐ農家への対応や就農支援をサポートする「たけた農業サポート人材バンク」の創設など、竹田市独自の事業を推進しながら、担い手対策に取り組んで参ります。
ところで、この春、県下唯一の農業単独高校「久住高原農業高等学校」が第1期の新入生を迎えいよいよ開校いたします。大分県を始め、これまでご尽力いただきました関係各位のご努力に深く感謝いたしますとともに、農業後継者の人材育成の観点からも大いに期待するものであります。農業高校とアンテナショップ生産組合とのコラボを道の駅などで演出するのも楽しみであります。
今後も引き続き学生確保に大分県と力を合わせて推進して参ります。

 一方、観光振興では、熊本・大分地震の影響で落ち込んでいた観光客を、いかに取り戻すか、また、中九州横断道路の開通により、いかに城下町を始めとした竹田市に誘客していくかが、最大の命題でありましょう。
竹田のシンボルである岡城跡は、「旅好きが選ぶ『日本の城ランキング2018』」では、堂々5位にランキングされ、城郭のない城跡では、見事日本一となりました。
メディアやインターネット上で大きく取り上げられましたことはご案内のとおりです。
岡城周辺の環境整備と併せまして、今年度完成予定の「歴史文化交流センター」が持つ「岡城ガイダンスセンター」機能と、どう連動させ岡城と街中を繋いでいくか、企画の掛け算による新たな誘客の確保に向けた取り組みを行って参りますが、ここでもやはり、成功するかどうかは商店街をはじめとする地域の皆さんのやる気にかかっています。土日には必ずお店を開けること。人が来ないのではなく、来た人をどう満足させるか。リピーターを呼び込むポイントはここにあります。

一方、竹田市と観光ツーリズム協会が開発した、炭酸泉入浴と自然散策を組み合わせたツアーが、九州初の「ヘルスツーリズム」の認証を受けました。
一昨年、厚生労働省の定める「連携型温泉利用型健康増進施設」の九州初の認定に続く快挙であります。今後も全国的に希有な炭酸泉のかけ流しをするという世界でただ一つのクアハウスを拠点に、竹田市独自のクアオルト構想の実現に向け、インストラクターの人材育成や温泉療養保健制度等と組み合わせ、保養客という新たな層を取り込む施策を実施して参ります。
31年度は国民保養温泉地の全国総会が7月に長湯温泉で開催されることが決定しており、併せて第3回全国炭酸泉シンポジウムも開催されることから、クアハウス効果が強く発揮できるものと考えております。
また、祖母・傾・大崩ユネスコエコパークの登録を機に、地元のMMS21「祖母山麓自然・人・共生空間整備プロジェクト実行委員会」の皆さんが、祖母山系の生態系の保存と美しさを伝える活動に頑張っていただいておりますし、阿蘇くじゅう国立公園、久住高原のあざみ台では、ТAOの新しい拠点として「天空の展望公園」を整備するよう予算計上しております。国県の協力と援助をいただきながら、東京オリンピック・パラリンピックの風を受けて国内はもとより世界から観光客を迎えることができるよう取り組みを強化します。

さて、教育行政につきましては、引き続き「竹田市教育のまちTOP運動」による子ども達の健全育成を図って参ります。
また、懸案であります小・中学校教室へのエアコン設置も実施設計が出来上がり次第、スピード感をもって設置して参ります。
一方で、児童・生徒の減少が続き、学校存続が危ぶまれる状況も生まれてきていることから、保護者や地域住民の声を聞きながら、学校統合を視野に入れた協議を慎重に、かつ本腰を入れて行って参ります。

次に、組織の機構改革と行財政改革についてご説明申し上げます。
職員定数では、平成30年度から職員を2名減じて、平成31年4月1日では346名となります。合併以来176名を減員、率にして33.7%減じてきたことになります。また、平成18年度から特別職と一般職員の給料のカットをお願いし実施して参りましたが、これまでカット分約9億6千3百万円の節減を行って参りました。
しかし、ただ単に職員数を減らせばいいというものではありません。
市民サービスの低下を招かないよう、職員数に見合った事務事業の見直し、民営化や民間委託、そして民間からの人材登用等のあらゆる手法を駆使しながら、行革を行う必要性があると考えております。
そういった観点から、平成31年度の組織を次のとおり改革するよう議案として竹田市行政組織条例等の一部改正等で上程をさせていただいているところでございます。
まず、今般の事務手続きの不備等、議会からも、また監査委員からも内部統制の必要性を指摘いただきました。このことを念頭に、私や副市長と各所属を繋ぎ、総括的に管理監督するために、一般職課長級の「理事」ポストを新設いたします。当面は市長部局と他部局との調整も含め、1名配置する予定です。
これにより特命に加え、横断的な政策調整、連携、総括管理を行わせることとします。
次に、課の廃止や再編を行います。具体的には、文化政策課を廃止し、総合文化ホールと企画情報課へ事業を住み分けします。
特に総合文化ホールは文化の拠点として、文化振興財団の設立も視野に入れた研究を始めます。そこには経験値の高い民間の人材登用も視野に入れて参ります。
また、3年を目途に設置した都市デザイン課の主要事業の終了を見据え、課としては廃止し、建設課の課内室として必要な業務を継承させます。
一方、昨年4月に設置いたしました子育て世代包括支援センター「すまいる」は、保険健康課と社会福祉課の共同設置でありましたが、組織の効率性と責任の所在の明確化を図るため、社会福祉課の課内室とし、より体制を強化して参ります。
また、上下水道課の滞納整理及び収納業務を一部民間委託し、収納率の向上を目指します。
教育委員会部局では、生涯学習課の各教育係を本庁生涯学習課へ集約し、本庁生涯学習課から各教育係へ、事業に合わせ人員を集中的に投入できるサポート体制を確保します。各公民館へはこれまでどおり、OB活用による経験値を備えた館長を配置し、通常の業務を担わせる予定であります。
また、文化財課を文化財の保存の分野だけでなく、観光資源としての可能性を高めるため、まちづくり文化財課とし、岡城の開発や歴史文化交流センター、竹田荘の魅力づくりを重点的に推進して参ります。

さて。重要な財源確保についてであります。
公共事業の拡大や農村経済の浮揚により、市民税は順調に伸びていますが、公平な税収の確保とともに、貴重な一般財源となります『ふるさと納税』にも力を入れて参ります。平成30年度は、2月末までで約2億3千6百万円と、前年度の約5倍、一気に額を伸ばすことができました。これはポータルサイトを増やしたことに加えて、「まちづくり会社」に業務を一部委託し、専門的に内容を充実させたことも、大きな要因の一つであります。
本年6月からは、税制改正によりまして全国一斉に同じ条件での再スタートとなります。この機をチャンスと捉え、ここにも企画の掛け算で、竹田ならではのアイディアをもって返礼品等の充実に力を入れていきます。納税額が増えるということは、地元産品の需要が増えていくという内需拡大の効果もありますし、、竹田市経済の一翼を担うと言っての過言ではありません。 今年度は、さらなる増額を目指し、体制の強化と竹田ファンの増大を図って参りたいと考えております。ちなみに、ここで確保できる財源は文化ホール・グランツの自主事業への充当、定住促進住宅の取得補助金、学校の教材購入の支援、そして岡城址の環境整備などに充てることになっています。

以上、主な内容について述べさせていただきましたが、冒頭申しました、私の政策理念でもあります『内に豊かに 外に名高く』の実現のため、誰もが安心して住み続けることのできるまちづくり、未来に誇れるまちづくりを掲げ、私に与えられました3期目の折り返しとなる平成31年度を「ここが正念場」の気概を持って、誠心誠意市政執行にあたる所存であります。市民の皆様、そして議員各位におかれましては、本市の未来創造に向け、ご指導、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。

竹田市長  首 藤 勝 次

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