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【2016/08/25】
【2016/08/10】
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所信

平成28年竹田市議会 第1回定例会所信表明                                                             2016.3.3

新市が施行され、まもなく11年が経過しようとしております。10年ひと昔と申しますが、長いようで短かった年月の中で、私も7年近く市政を担当させていただいておりますが、それぞれの地域の特色が明確化され、そのポテンシャル(可能性)がリンクしながら育ち上がっていることを実感する今日この頃であります。
さて、本年は、私も市長として2期目最後の年を迎えているのでありますが、「あったか対話行政」を基軸にして、市民の皆様、また議員各位のご理解とご支援を賜りながら、地方分権・地域主権の考え方に根ざした、基礎自治体の自立を目指してきたところであります。 くしくも今年は、「これまでのものが形になって明らかになる年」といわれる「丙申」の年です。合併以降、皆様と重ねてきた努力が実を結ぶ年になるものと確信しております。

少子・高齢化・過疎化との闘い

ところで。先日、平成27年国勢調査の集計結果概数が出されました。竹田市の総人口は2万2,342人で前回調査と比較し、455世帯、2,081人の減少となっています。この5年間で、年平均約400人減少したことになります。
この現象に、どう向き合って、どう歯止めをかけるのか、私に課せられた命題でもあり、市民の皆さんとともに乗り越えていかなければならない最大課題のひとつでもあります。
さて、私は就任間もない平成21年6月、全国初の「農村回帰宣言市」を提唱しました。竹田独自の竹田ならではの政策により、少子・高齢化、過疎化対策として提唱し、移住・定住を推進してまいりました。とくに増加する空き家を有効活用することにより、地域コミュニティー再生にもつながっていることは喜ばしい限りであり、集落支援員の皆さんをはじめ多くの市民の皆さんのお力添えに感謝するものであります。
おかげをもちまして、全国からも注目されるようになり、空き家バンク登録者数は904人となっております。実際に移住してこられた方は、平成22年度以降105世帯204名、地域おこし協力隊31世帯、44人を含めますと136世帯248名となりました。
ちなみに地域おこし協力隊は、一人当たり400万円の経費全額を特別交付税で措置されます。本年は、すでに13名の内示をしましたが、最終的には15名から20名ほどを想定しており、全体で50名前後となりますが、この規模は全国トップクラスであります。
一方、これまで提示してまいりました住環境の整備につきましても、移住者のみならず、既住者も対象として整備を進めておりますが、いち早く対応しました君が園ハイツには、多くの応募者があり、結果的に独身18世帯、家族世帯2世帯が抽選の末決定。すでに満室の状態となっています。

地方創生ТОP戦略

次に、竹田市地方創生TOP総合戦略についてであります。
「内に豊かに外に名高く」を基本テーマにして、住んでいる竹田市民が豊かな生活を楽しむ一方、竹田市の資源や歴史文化の魅力を全国に発信し、竹田市を訪れてみたい、住みたいと思っていただける戦略として位置付けて参りました。
その資源の一つが温泉であります。これまで「現代版湯治文化」として取り組んできました全国初の温泉療養保健システムでありますが、「『国民の健康づくり』、『予防医療の増進』、『新たな観光戦略』としての複合戦略が、石破地方創生担当大臣から「超高齢化社会を迎える中で健康増進による医療費削減と観光による地方活性化を両立する独創性あふれる取組」であると高く評価され、地方創生先行型・先駆的事業としてすべて採択されましたことは、すでにご案内のとおりであります。
この竹田市が持っている「温泉力」は、日本健康開発財団や慶応大学により炭酸泉の効能が実証されたことによっても裏付けられました。 さらに、国民保養温泉地が、久住高原温泉郷、竹田・荻温泉郷を含め再指定されました。この流れの中で、先日「ヘルスツーリズム大賞」を受賞しましたが、竹田市の温泉群が、外に自信をもって発信できる主要な資源であることが証明されたと言っても過言ではありません。
竹田市には、すでにスポーツ合宿等で久住高原と温泉が利用されています。さらに温泉を活用した保養地として経済効果を生み出していく、東京オリンピックを2020年に控えた今がそのチャンスの時期であり、日本を代表するクワオルト構想の実践が一つの契機と考えています。
地方創生へのチャレンジは、「ひと」が「ひと」を呼び込み、「ひと」が「しごと」を創り、「ひと」で「まち」が賑わう好循環の創出や、政策の一致する自治体等との地域連携を行いながら、今後も加速化交付金事業、新型交付金事業の活用へと続いていきます。

全国山城サミットの開催

竹田市が抱える資源には、雄大な久住高原や先人が残してくれた、世界に誇れる財産である岡城跡も有ります。今年は、念願でありました全国山城サミットが10月22日、23日の2日間、岡城を中心として、わが竹田市で開催されます。これは、またとないチャンスかもしれません。これだけ大きな城跡を持ち、史跡として申し分のない風格があるにもかかわらず、岡城の名前が全国的に知られていないもどかしさを払しょくさせるべく、このサミットを契機に一挙に世界の舞台に押し上げたいものです。また、岡城はもとより、市内には20ほどの出城であった山城もあります。その地域にもスポットを当てたいと考えています。
そして、岡城といえば、やはり瀧廉太郎先生を思い浮かべます。戦後間もなく始まった全日本高等学校声楽コンクールは今年で記念すべき70回大会を迎えます。
さらに、瀧廉太郎先生をゆかりとして、昭和42年に竹田市は宮城県仙台市、長野県中野市と音楽姉妹都市を提携しました。来年1月には、姉妹都市締結から50周年の節目を迎えるということも、ここで申し添えておきます。

さて、これまで城下町再生や定住促進など総合的なまちづくりを企画立案し、官民協働で中心市街地活性化基本計画や定住促進ビジョンの策定、まちづくり会社の設立など、まちづくりの基盤となる構想を構築して参りました。
これからは、いよいよ実施段階に入ります。組織の在り方も、これまでの総合まちづくりセンターを進化させ、都市デザイン課という新しい課を設置することにいたしました。
国土交通省の社会資本整備総合交付金事業による具体的なまちづくりが始まることになります。
そのほか、組織機構の見直しによる再編では、荻保育所の民営化、養護老人ホーム南山荘の民間移管が挙げられます。

職員数は522名から362名に

組織機構改革による定員管理につきましては、合併時522名であった職員数が、平成28年度スタート時点で362名となる見込みです。実に160名の職員数の削減を行いました。事務事業の見直しや民営化、民間委託、そして退職者不補充など、あらゆる手法を駆使して、人口減少に対応した人件費の削減を行ってきましたが、行革は数の問題だけで解決するものでもありません。 大切なのは、市民に対する行政サービスの維持・向上であり、その意味においても、今後は、即戦力となる職員OBを嘱託職員として採用することや定年延長などの手法も取り入れる必要性が増してくると考えております。

支所に美術館を併設

ところで、久住地区の事例で申し上げますと、平成32年開通予定の県道庄内久住線バイパス工事の実施に合わせ、久住地域中心部の活性化を推進してまいります。同時に、久住支所の空きスペースを利用して1階には、九州アルプス商工会が移転し、3階には、4月1日オープンを目途に、地元画家「白壁康」画伯の絵画や地域資料を展示するなど、有効活用するとともに、地域の魅力創出に努めて参ります。市民提案型のまちづくりが実現していくことに私自身、大きな喜びを感じています。
このように施設の再利用や利活用を考えることは、重要な観点であります。人口減少や少子高齢化が進む中、公共施設への市民ニーズの在り方、変化を的確に捉え、維持管理費の財政負担を軽減するためにも、施設の廃止や民間譲渡、売却なども視野に置きながら、適正な配置や管理・運営を行っていく必要があります。
思い切って断行する必要があると、意を決しております。
現在、公共施設等総合管理計画を策定中であり、今後は施設の用途や役割に応じて、現在、指定管理としている施設も、指定管理の期間ごとに見直しを行い、運営状況や経営状況を検証しながら、常に新たな発想で、その方向性を見定めていきたいと考えています。

親元就農を支援する

一方、竹田市の基幹産業である農業につきましては、今後も多角的な振興策を展開して参ります。生産基盤の充実はもちろん、営農活動や人材育成・確保など、農業・農村で生計が成り立っていく、そして後継者が育っていく環境づくりが急務であります。新規就農者に対する助成については、青年就農給付金により農業を始める若者を支援する仕組みをすでに導入しておりますが、かねてからご意見・ご要望も頂いておりました、親元に帰って農業を始める若者に対して、竹田市独自の支援策を打ちたいと考えております。
また、農業を主産業とする荻地域などの営農支援を推進するために、市独自の営農指導体制とマンパワーを確保したいと思います。
今、畜産農家の皆さんが活気づいています。ひところ低迷していた子牛市場が、このところ空前の高値で推移しており、このことで農家経済が好転していますが、依然として畜産農家数、飼育頭数は減少傾向にあります。背景に高齢化があるというのは歴然としているだけに、いまのうちに新しい経営体系を築きあげる必要があると危機感を抱いております。その調査研究にも着手しますが、その他の農業振興につきましても、花き、果樹、野菜など園芸作物の助成や、地方創生関連事業として、しいたけ、サフラン、カボスといった特産品を「日本一プロジェクトブランド化事業」として取り組むなど、竹田市農業の潜在能力を高める施策に懸命に取り組んで参ります。

大蘇ダムの完成を見据えて

さて、大蘇ダム関連では、国営大野川上流土地改良事業第3回計画変更作業が待ち受けています。本年6月までに受益者の3分の2以上の同意を得て、10月から浸透抑制工事が実施されます。その後、平成31年度に工事を完了させ、湛水試験を経て、平成32年度から本格的に農業用水として、利用開始される予定です。
  事業着手から、利用開始まで、実に40年という長い年月が経過することになり、農業経営の予定変更を余儀なくされてきた方もおられます。
水が不足する地域への水の供給は、基幹産業である農業の未来を拓くためにも、必要な施策であります。課題は営農戦略や完成後の管理をどうするか、引き続き国に対し要請活動を続けます。

子育て日本一宣言と地域医療

次に、子育て支援についてです。子育て世代に対する医療費の経済的負担を軽減するために助成対象を拡大しております。これまでの小中学生の入院費に対する助成に加え、平成28年度から、通院費についても助成対象とすることにしました。
また、当初予算では、まだ措置しておりませんが、例えば「子育て応援する券」のような商品券などを作って、生まれてきた子どもさん1人につき5万円から10万円程度を給付することなども検討中です。
一方、こども診療所につきましては、現在、昭和54年建築の旧竹田保健所を使用しておりますが、建物の老朽化が心配され、医療機関としての役割を考慮すると、地震に対する対処も行わなければなりません。現在、黒字経営が続いており基金の確保もされております。これらを念頭に、今年度、つまり平成28年度に設計、29年度完成を目指します。
さらに、市民が健康で安心して暮らすためには、地域医療体制の確立が必要不可欠ですが、これまで、2次救急医療体制がとれていませんでした。この度、関係機関のご努力により、竹田市におきましても竹田医師会病院と大久保病院が連携し、2次救急医療機関として、平成28年4月から開始予定となっています。竹田市もその運営に対し、支援を行いますが、安心安全に大きな成果を生み出してほしいと願っています。
一方、待望の耳鼻咽喉科は間もなく開院の運びとなりました。
この上ない喜びに感じています。


財政健全化と夢の実現

これまで、市民の皆さんや議員各位とも協議を重ねて参りましたが、新図書館建設や文化会館建設など住民ニーズを実現するための公共施設整備が始まります。もちろん、このような整備を行うに当たっては、財政状況を考慮しながら、実施していかなくてはなりません。
平成28年度実施の新図書館建設事業では、4億7,800万円余りの予算となっていますが、内、7割弱の3億2,600万円余りは、国の交付金と公共施設等総合管理基金で措置し、残額のほとんどは、償還金に交付税措置のある旧合併特例債を充てています。
このように、公共施設の整備に当たっては、財政の健全性を失わないように財源調整をしながら進めます。
今後も、社会資本整備総合交付金事業を活用し、老朽化した施設の更新と市民サービスの向上を図るために、文化会館建設事業や歴史資料館と市民ギャラリー水琴館、コミュニティセンターを合築した新ミュージアム建設構想計画に着手。
中九州地域・高規格道路が開設されるタイミングで、全国的にも魅力あるまちづくりを整えたいと考えています。
また、玉来ダムの整備につきましては、国・県に早期完成を訴えて参りましたが、県がこのほど本体着手を発表しました。いよいよ玉来ダムの整備事業が本格的に始まりますのでご報告申し上げます。

世界に羽ばたく竹田観光

観光対策につきましては、昨今の訪日外国人の状況を考えるとインバウンド対策を考えないわけにはいきません。中国や台湾、韓国など外国人観光客の入り込みを一つの戦略として位置付けて、対策を行います。
大分大学との大学連携も有効活用を図りながら、多言語翻訳システムの共同研究を実施し、データベースの構築を行うことで、受け入れ環境の整備を図ります。
一方で、竹田市に拠点を持ちながら、国際的エンターテイメントとしても有名となっている若者たちがいます。久住高原に根をおろし、世界を舞台に活躍しているТAОがその筆頭格であります。すでに世界22か国400もの都市で公演し、観客動員数は延べ650万人ということです。先日のニューヨーク公演も大好評であったようです。TAOには日本初の和太鼓の学院構想もあり、この文化・芸術の底知れない力が、やがて大きな地域力となることを期待しています。

教育環境に力を注ぐ

さて、教育に目を向けますと、昨年、竹田市総合教育会議におきまして、学校・家庭・地域の協働により、地域を担う人づくり、人情味あふれるアイデンティティ豊かな子どもたちを育てるための竹田市教育推進大綱を策定いました。これに基づいて、現在、教育委員会におきまして実施計画となります「長期総合教育計画」を策定中であります。小中学校の統廃合につきまして、基本的考え方を確認しましたが、小学校段階では、子どもは地域で育ち、ふるさとを愛する心を醸成できることを目指します。ですから、統廃合に当たっては、地域の方や保護者の方のご意見を伺いながら決めてまいります。中学校については、子どもの成長段階でも社会性を身に付けることが必要になってまいります。ある程度の集団教育が望ましいということも考慮しながら、検討していきます。

久住校を全国区に押し上げる

関連して大分県立三重総合高等学校についてであります。これまで、平成24年1月、平成27年1月と二度にわたり、県立三重総合高校久住校の存続について、大分県に対して、「少子化が進み、高校の統廃合が加速する中、全国的にも農業専科の特色を持った高校がなくなりつつあり、今こそ、募集の範囲を全国に拡大してはどうか」との要望活動を行って参りました。地域の特色を活かせる地域の取り組みが地方創生の精神でもあります。
このほど、県としても竹田からの要望を前向きに研究したいとの連絡を受けました。もし、要望が受け入れられれば、なによりも地域の活力になりますし、畜産や園芸作物、さらに新たな分野で就職や起業家に直結できる全国有数の農業校の魅力も生まれることになります。スピード感をもって前進します。

竹田市長  首 藤 勝 次