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三期目にあたっての所信表明
あらためまして、皆さんおはようございます。平成29年竹田市議会第2回定例会を招集申し上げましたところ、ご繁忙の中ご参集いただき、厚くお礼を申し上げます。提案理由の説明に先立ち、3期目の就任挨拶と併せ、所信の一端を申し述べさせていただきます。

4月の市長選挙では、多くの市民の皆様からご支援をいただき、当選の栄誉に預かり、引き続き3期目の市政運営を担わせていただくことになりました。
竹田市という自治体にとって、歴史的にも非常に重要な4年間をお任せいただいたわけで、これまで以上に粉骨砕身の努力を惜しまない覚悟でおります。
議会の皆さんはもとより、市民の皆さんのご理解とお力添えを賜りますよう、あらためてお願い申し上げます。

さて、私はこれまで2期8年間、「市民との対話行政」を重んじ、『内に豊かに 外に名高く』の政策理念を持って基礎自治体の自立を目指してまいりました。
特に、最大課題であります少子・高齢化・過疎化対策にあっては、独創的・先進的な政策展開が功を奏し、これら政策の実践に対し徐々にではありますが成果が見え始めており、文化庁長官表彰や日本マニュフェスト大賞・優秀賞を始め、様々な賞をいただくこともできました。しかし、もちろん、まだまだ道半ば、であります。
一方で、行財政改革にも積極的に取り組み、定員管理計画による職員数の大幅削減を断行するとともに特別職を含む職員給与カットによる人件費の削減、事業の抜本的な見直しによる経常経費の歳出削減、あるいは有利な補助事業、交付税措置のある過疎対策事業債、旧合併特例事業債の活用による一般財源持ち出しの軽減などに取り組み、平成17年、一市三町合併時に策定した「中期的な財政収支の試算」では、数年後に枯渇すると見込まれていた財政調整基金が平成27年度末では過去最高の40億円を超える残高となり、市債残高は過去最少額を記録、プライマリーバランスは常に黒字を維持し、安定的かつ堅調な財政運営が行われてきたと自負しているところであります。
今後は大型事業が続くだけに、平成27年度に策定した公共施設等総合管理計画に沿って、公共施設の複合化、統廃合、除却を推進し、新設する場合にあってはイニシャルコストのみならずランニングコストをも視野に入れた施設のあり方に配慮し、特に後年度負担の軽減に努めて参ります。

さて、これまで申し述べましたTOP運動によって撒かれた種は、8年の歳月を経て、数多くの実りを授けてくれました。これらの実りを収穫し、長く市民の皆様と分かち合う基盤づくりが、これからの4年間、私に与えられた責務であります。
全身全霊をかけて、皆様の期待に応えるべく職務を全うする覚悟であります。その収穫作業ともいえる重要かつ具体的な取り組みをお伝えし、所信の表明といたします。

まず。2期目は平成24年7月12日の九州北部豪雨による甚大な被害からの復興が最大使命でありました。市民の皆さんとともに成し遂げてきた創造的復興。農地も道路・橋梁も、そして河川も復旧した矢先の昨年4月。今度は熊本大分地震が発生しました。かって経験したことのない風評被害で再び大きな打撃を受けたのでありましたが、まさに不撓不屈の精神を持って、いま三度目の復活を果たそうとしているのであります。
度重なる被害を受けて、私たちはどこよりも、だれよりも強く防災体制の確立を目指していかなければならないと肝に銘じております。
私は防災力の強化を本市の重点施策に据え、防災施設の充実に努め、誰もが安心して暮らせるまちづくりの実現を目指して参る所存であります。
幸い、竹田市中心部の治水対策に大きな期待が寄せられている竹田水害緊急治水ダム「玉来ダム」については、いよいよ本年度から本体工事が始まります。来る7月25日には起工式が行われ、平成31年度には本体部分が完成する予定で、湛水試験を経て平成34年度竣工に向け、建設の槌音が大きく響き渡ることになります。最大で100人の作業員が4年以上滞在することになります。地域経済の振興にも大きく寄与いただけるものと確信しています。それだけに、これからもダム周辺地域の振興も含めた予算獲得のため、全力を挙げて国に対して要請して参ります。

ところで本市の農業産出額については、これまで平成26年時点で218億3千万円とお伝えしておりましたが、本年3月公表の平成27年データでは228億4千万円とさらにアップし、県内では、2位の日田市130億9千万円をはるかにしのぎ、部門別においても野菜、花き、畜産で断トツの1位、大分県の食糧生産基地として、面目躍如たる実績を誇っています。
私はこの数字に甘んじることなく、本市の基幹産業である農林畜産業の振興施策をこれまで以上に強力に推進して参ります。
トマト、スイートコーン、ピーマン、サフラン、カボス、久住高原牛、アリストロメリア等の花き、そして様々な農産品のブランド化を推進します。加えて地方創生事業によるホップ栽培実証実験も始まったことから、キリンビールとのタイアップを活かし、来年からは少量と言えど竹田生まれのビールの誕生に農村青年とともに夢をかけているのでもあります。
一方、県下でも初めての親元就農補助金や雇用対策支援、さらに大分県とともに進めている三重総合高校久住校の研修棟と寄宿舎の整備など、農村の後継者を生み出す挑戦を全国規模でできるように県とともに練り上げて参ります。また、農業生産に係る省力化、効率化、大型機械化のための農業基盤整備事業、更には待望久しい大蘇ダム完全通水へ向けた事業の推進と完成後の国の直轄管理や維持管理費の負担軽減を国に強く要望するなど、実効性のある農業施策を推進して参ります。

ところで、平成30年度中に全線開通する中九州・地域高規格道路「大野竹田道路」に今、大きな期待が寄せられています。29年度も当初予算で42億4千万円が獲得できており、用地買収も100パーセントに達しています。  竹田インターチェンジがもたらす、新たなヒト、モノの流れを的確に読み取り、商工観光を中心とする産業振興に果たすとともに、特に、城下町再生の切り札として、あるいは定住施策のプラス要因として最大限にこの道路を役立てていかなければなりません。加えて、地元が期待する久住高原インターチェンジの実現も重要な課題だと受け止めております。
併せて、国道442号線及び502号線、県道、市道に係る道路橋りょう改良や維持補修事業も推進して参ります。また、この開通を平成30年度に開催される大分県国民文化祭や、平成31年度に開催されるラグビーワールドカップ、そして平成32年度に開催される2020東京オリンピック・パラリンピックなど、これらのビッグイベントといかに有機的に結び付け、本市の活性化につないでいくか、まさしく行政の政策力と経営力が試される4年間となります。

ところで、5月21日にオープンした新図書館は、市内外に大きな反響を生み出しています。あれから2週間。平日でも200人から300人。週末は1千人を越える人々が訪れており、このペースでいくと年間10万人を突破するのも夢ではありません。訪れる人は竹田市外の人も少なくなく、アンケートの結果を見ても『まちが動き始めた。新たな歴史が始まった』と多くの皆さんが感じているようで、満足度は相当に高いと言えます。
城下町再生の先陣を切ったこの施設の竣工を成功事例にして、平成30年度を最終期限とする社会資本整備総合交付金・都市再生整備計画事業の円滑な事業推進を図らなければなりません。
愛称が「グランツたけた」と決まった竹田市総合文化ホールもその主軸のひとつであります。平成30年秋のオープンを目指し、着々と工事が進んでおりますが、大分県での開催が2順目となる国民文化祭を契機として、『文化を生み出し 人を呼び込む』拠点施設としての役割を果たすべく、新設の文化政策課を中心に地域と行政が一体となって取り組む体制を整えつつあるところであります。
また。城下町では岡城跡歴史文化交流センターやコミュニティセンターも実施設計段階に入りました。設計を担当しますのは、2020年東京オリンピックのスタジアム設計を担当している隈研吾さんであります。必ずや、世界に通用する素晴らしい施設が誕生すると、そう確信するものであります。
道路美装化や電線類無電柱化整備事業も本年度から本格的な工事が始まりますことを申し添えておきます。
ところで、議会でもしばらく議論してきました竹田市立こども診療所の建て替えにつきましても、プロポーザルを開始し、実施設計に向けた動きを加速化しております。この診療所は都市再生整備計画事業に位置付けられており、自治体運営のこども診療所としては全国唯一の黒字経営であることから、これまでの黒字経営によって積み立てられた基金を活用し、有利な財源の確保により、文化ホールの近くに建設することにしています。

また、これらの事業に加え、新図書館の近くに18戸の定住促進住宅を建設中であり、躍動的な城下町の青写真が徐々に浮かび上がって参りました。
こうした事業展開から、この4年間が竹田市の歴史に残る重要な4年間になるのは確実であります。これらの大事業が推進できるのも、45パーセントに及ぶ国からの補助金、さらにこれまで積み立ててきた基金の活用、加えて70パーセントの補助事業と解釈してもいい旧合併特例債の充当が実現しているというのが、何よりの強みであります。
ここでも後年度の負担軽減を図りながら、またとないこのチャンスを実践して行くことにします。

一方、旧直入郡3町、いわゆる周辺部の地域振興も果たさねばなりません。

農業振興が著しい荻地域では、その勢いを買って、旧荻支所前に10戸の定住促進住宅の建設を始めました。これからも国や県の補助事業を活用しながら、西日本有数の夏秋トマトを始めとする施設野菜に加え、露地野菜の生産振興、畜産振興を図って参ります。
久住地域では、県道30号線の改良に伴う久住地区都市再生整備計画により、旧町民センターなどの跡地に久住版コミュニティセンターの建設を予定しております。新たなコミュニティ機能をどうまちづくりに生かしていくか。これまでも地域住民の皆さんと構想を練り上げてきたところだけに、皆さんの期待も大きなものがあるでしょう。
加えて国の政策で動き始めています「国立公園満喫プロジェクト」等を活用し、ビジターセンターの整備等も視野に入れた久住高原の観光振興を更に図って参ります。大船山の登山バスの運行など議員提案の企画が相当に地域に活力を与えてきましたし、国の応援も相まって全国的な注目が増しているところでもあります。インバウンドの訪問も花公園を中心に増えつつあることから、九州の観光拠点としての成長を促していきます。 直入地域では、炭酸泉を核に温泉療養をキーワードとしたクアオルト構想を推進します。この構想の拠点施設たる温泉利用型健康増進施設クアハウスの実施設計も完了し、建設に向けた動きが加速しています。設計を担当しているのは世界的に活躍している坂茂設計事務所で、また、この度、国の平成28年度第二次補正予算に計上された「地方創生拠点整備交付金」において、本施設整備が認可されたため、対象経費の半額、およそ9千万が国庫補助金として交付されることになりました。このような追い風を十二分に活用する中で、民間が取り組む宿泊施設とレストランにも期待が集まっています。
以上述べましたように、旧三町それぞれの地域の特色、特性を生かしながらこれからも引き続き、総合力のある、また均衡ある発展を目指します。

ところで、間もなく認定されるであろう祖母傾山系を中心とするユネスコ・エコパークは、単に認定されただけでは地域に活力を与えることにはなりません。認定が最終目標ではなく、スタートであると捉え、地域にどれほどの誇りを感じ、地域づくりに知恵と情熱を傾けることができるかが大きなポイントになります。
登山道やベースキャンプ場の整備など、エコパーク認定に伴う嫗岳・入田・宮砥などはもちろん、荻町の隣接地区の地域づくり事業に対し、積極的にサポートして参ります。

さて。海外及び国内の姉妹都市交流に新たな潮流が生まれました。本年1月、坂梨市議会議長や関係諸団体と共に台湾を訪問し、高雄市田寮区との観光友好交流に係る覚書を締結いたしました。これを契機に本市と高雄市の相互交流が活発化しております。農家民泊を活用した高雄市民や高校生の受け入れが増加していますし、本市中学生の海外交流先を高雄市にするなど、両者の友好交流に大きな弾みがついています。これからはインバウンド強化のための観光交流のみならず、田能村竹田と南画を基軸とした文化交流なども視野に入れ、友好交流の更なるステップアップを目指して参ります。
また、中野市との音楽姉妹都市交流についても今年度から本市の中学生を「学校新聞特派員」として中野市へ派遣する事業を開始し、相互交流の進展が図られることになりました。
平成元年、1989年11月に始まったドイツのバード・クロツィンゲン市との国際交流も平成31年、2019年には記念すべき30周年を迎えます。その記念セレモニーの主会場が、竹田市総合文化ホール「グランツたけた」であることに夢を膨らませている市民は少なくないでしょう。

最後に新たな施策について、提言いたします。本定例会において補正計上した地域新電力事業であります。
竹田市は、平成22年度に竹田市地域新エネルギービジョンと竹田市バイオマスタウン構想を策定いたしました。平成24年度に国が太陽光発電10kw以上による固定価格買取制度を開始したことから、市内に多くのメガソーラーが設置されました。当市は、地域新エネルギービジョンに基づき、地球温暖化対策と遊休地の利活用を目的に、旧柏原小学校跡地で太陽光発電設置の公募を行い、東京に本社を置く大手の国際航業が選定されたところであります。これにより、これまで国際航業からの使用料を原資に市民提案型活力創造事業を創設し、地域振興を図って参りました。
また、当市は、県下最大の畜産基地であるため、このバイオマスタウン構想に基づき、畜産糞尿を資源に、浄化槽汚泥、生ごみを加えたバイオガスプラント発電を計画したいと考えています。バイオガスプラントの醗酵に必要な豚糞尿が豊富に存在することから、発電に必要なバイオガスが大量に発生するわけです。想定供給可能電力量は1年間で1,283万kwhと非常に大きく、竹田市内3,600世帯分の電力消費量に相当します。排熱が想定発電量と同程度発生するため、周辺の公共施設や温泉施設、農業ハウスに熱供給が可能となるということであります。さらに、プラントで生成された堆肥や液肥については、農業者に供給することにより、農業生産における栽培コストの削減や農業振興に繋がります。
将来的には、平成28年度に電力が自由化されたことから、バイオガスプラントのベース電源を利用し、電気の地産地消を目的に、地域新電力事業に参入したいと考えており、本補正予算に関係経費を計上させていただいたところであります。もちろん、これらの事業を応援する中央省庁及び先導的実績のある組織との協働・協力を取り付けており、予算も国の支援を受けるべく申請事務に着手しております。
ここで得られる財源を単に一般行政経費に組み入れるのではなく、高齢化社会への対応、教育の環境づくり、そして地域活力創造事業など地域貢献・社会貢献に寄与できる財源として位置づけます。
荻地区、菅生地区での拠点づくりを是非とも実現させたいと考えます。

以上、主な内容について述べさせていただきました。いずれにいたしましても、私に与えられた3期目が、竹田市の真価が問われる4年間であることに間違いありません。これまで以上に熱意と誠意を持って、社会貢献・地域貢献・時代貢献の使命を果たすべく、市政運営に邁進する所存であります。市民の皆様、そして議員各位におかれましては、本市の豊かな未来の構築に向け、率直かつ建設的なご意見・ご指導を賜りますようお願い申し上げ、市政3期目にあたっての所信表明とさせていただきます。

平成29年6月5日
竹田市長  首 藤 勝 次