○竹田市火災調査規程
平成17年4月1日
消防本部訓令甲第15号
(趣旨)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第7章に基づく火災原因及び損害の調査を円滑かつ適確に行うために必要な事項を定めるものとする。
第2条 調査に当たっては、法及びその他の関係法令によるほか、この規程に基づき職務を行わなければならない。
(調査の種類等)
第3条 火災の調査は、管内において発生したすべての火災の原因及び損害の調査とする。
第4条 調査は、次により行う。
(1) 関係のある者に対する質問(法第32条第1項)
(2) 関係官公署に対する必要事項の通報請述(法第32条第2項)
(3) 立入検査及び関係者に対する資料提出の要求(法第34条)
(4) 逮捕された被疑者に対する質問(法第35条の2第1項)
(5) 押収された証拠物件に対する調査(法第35条の2第2項)
(調査員)
第5条 調査を迅速適確に処理するため消防吏員をあらかじめ定めて専従せしめる。
2 前項の専従員を調査員という。
第6条 調査員は、管内に火災が発生した場合は、直ちに調査に着手しなければならない。
(調査員の心得)
第7条 調査員は、平素から火災の現象及び関係法令の研究に努め、調査技術の改善向上を図るとともに社会の動向に留意し特に管内の諸状況を把握するように努め調査能力の向上を図らなければならない。
第8条 調査員は、調査に当たっては適正公平を旨とし、強制的手段を避け、穏健妥当な方法により住民の協力を得るように留意しなければならない。
2 早期発見者、直接火災責任者等重要参考人に対する質問は、なるべくその時機を失せず真実を聴取し得るようにしなければならない。
(秘密の保持)
第9条 調査員は、調査に当たっては関係者の秘密を保持し、名誉を傷つけないように努めなければならない。
2 調査員は、調査の過程又は判断の結果等を不用意に漏らすようなことがあってはならない。
(立入調査)
第10条 調査員は、法第34条に基づく立入調査を行うときは、立入検査証又は消防手帳を明示し自己の身分を明らかにし関係者の承諾を得て行い、又は必要あるときは、関係者の立会いを求めなければならない。
(警察職員との関係)
第11条 調査員は、調査に当たって常に関係警察職員と緊密な連絡をとって意思の疎通を図り調査の能率向上に努めるとともに、調査員のする調査は、犯罪の捜査ではないことに留意して行動しなければならない。
(原因調査の原則)
第12条 調査に当たっては、常に火災原因の実態を究明することを主眼とし、先入観念にとらわれることなく、科学的な方法と合理的な判断により事実の立証に努めなければならない。
(原因調査の方法)
第13条 調査員は、火災の状況を観察し必要な情報及び調査資料の収集に努め特に物的調査(実況見分)と人的調査(関係ある者に対する質問)を併用し、その事実を究明しなければならない。
(物的調査)
第14条 物的調査は、火災現場において焼け跡並びに残存物の焼き状況を大局的及び部分的綿密に見分してそれぞれの状況のもつ意義又は所在することの意義を究明して火災原因又は発火点の判定資料としなければならない。
(人的調査)
第16条 人的調査は、火災現場又はその他の適当な場所において火災の早期発見者、火元者その他関係者に対して行い原因判定上必要な事項について質問し、原因又は発火点の判定資料としなければならない。
2 前項の関係ある者に対する質問は、これを強制してはならない。
2 前項の場合で原因判定の容易なものについては、関係者からてん末書を任意提出せしめ、これに代えることができる。
3 質問調書は、これを被疑者に閲覧させ、又は読み聞かせて誤りのないことを確めさせ、同人が調書の内容について変更の申立てをしたときは、その供述を調書に記載しておかなければならない。
4 被質問者が調書に誤りのないことを申し立てたときは、これに任意署名押印を求めなければならない。この場合における押印は拇印をもって代えることができる。ただし、署名押印を拒んだ場合は、その旨を調書の末尾に記載しなければならない。
5 質問調書の作成に当たり誤字又は脱字を生じたときは、その余白に削加何字と記入し、調書作成者自ら押印しておかなければならない。
6 質問調書が数葉に及ぶときは、各葉ごとに調書作成者の割印を押印しなければならない。
(復原図)
第18条 調査員は、物的調査及び人的調査の結果に基づき必要に応じ火元建物又は発火点付近の復原図を作成しなければならない。
2 前項の復原図は、火災原因となったものとその周囲に所在したものとの関係その他延焼過程等を略図又は写真、絵画等により記録するものとする。
(関係ある者に対する任意同行の請求)
第19条 調査員は、関係ある者に対し調査上必要があると認めたときは、消防長又は消防署長の許可を得て、消防本部又は消防署所その他必要ある場所に任意同行し、又は呼出しすることができる。
2 前項の関係ある者が未成年者及び知的障害者のときは、保護者の同行を求めることができる。
(資料提出命令)
第20条 法第34条により関係者に対して調査上必要な資料提出を命ずる場合は、資料提出命令書(様式第3号)によるものとする。ただし、軽易なものについては、調査員が直接口頭ですることができる。
(関係官公署に対する照会)
第21条 法第32条第2項の関係ある官公署に対する通報請求が必要なときは、火災原因調査関係事項照会書(様式第4号)により通報を求めるものとする。ただし、軽易なものについては、調査員が直接口頭ですることができる。
(鑑定の依頼)
第22条 消防長又は消防署長は原因の調査上必要あるときは、関係証拠物件について学識経験者その他適当と認める者に鑑定を試験(鑑定)依頼書(様式第5号)により依頼することができる。ただし、緊急な場合その他適当と認められる場合は、調査員が直接口頭で依頼することができる。
(関係ある消防吏員に対する質問)
第23条 調査員は、調査上必要があるときは、当該火災の防御に従事した消防吏員及びその火元又は周辺を予防査察した消防吏員に対し質問することができる。
2 前項により質問を受けた消防吏員は、できる限り詳細に供述しなければならない。
(先着指揮者の原因調査上の報告義務)
第24条 火災現場に先着した消防隊の指揮者は、当時の状況について特に原因調査上必要があると認めたときは、直ちに口頭又は文書をもって消防長又は消防署長にこれを報告しなければならない。
(消火中の保存心得)
第25条 現場指揮者及び隊員は、消火中であっても発生場所と推定される付近の消火活動に当たっては細心の注意を払い原形の保存に努めなければならない。
(鎮火後の保全)
第26条 現場指揮者又は調査は、鎮火後直ちに現場保存に必要な区域を設定しなければならない。ただし、その区域が既に警察職員によって保存され、又は保存されるようになった場合は、この限りでない。
2 前項の区域内には、調査関係者及び真にやむを得ないと認められる関係者以外立ち入らせてはならない。
3 調査員は、発火物その他証拠物件又はその個所の保全には特に留意しなければならない。
(現場写真)
第27条 調査員は、前条の調査に関係ある個所の保全には特に留意しなければならない。
2 前項の調査に関係ある個所及び物件については時機を失することなく速やかに写真撮影を行うよう努めなければならない。
3 前項の写真には、信ぴょう性を損なわないように必要な説明及び撮影者日時等を加えておかなければならない。
(損害調査)
第28条 損害の調査は、火災報告等取扱要領(昭和43年消防総発第393号消防庁長官通知)の損害調査に関する規定に基づいて行うものとする。
(火災調査報告通知)
第31条 調査員は、火災調査の結果について次に定める文書をもって消防長又は消防署長に報告しなければならない。
(2) 実況見分調書(様式第1号)
(3) 質問調書(様式第2号)
(4) 火災出場時における見分調書(様式第12号)
(6) 防火管理等調査書(様式第14号)
2 前項各号のうち消防長又は消防署長が必要がないと認めたものは、作成しないことができる。
(消防庁の報告)
第33条 消防組織法(昭和22年法律第226号)第22条に基づく火災に関する報告は、火災報告等取扱要領の定めるところにより行わなければならない。
(その他)
第34条 この規程に定めるもののほか、必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この訓令は、平成17年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この訓令の施行の日の前日までに、解散前の竹田広域消防組合火災調査規程(昭和59年竹田広域消防組合訓令甲第3号)の規定によりなされた手続その他の行為は、この訓令の相当規定によりなされたものとみなす。
附則(令和元年消本訓令甲第13号)
この訓令は、令和2年1月1日から施行する。
(令元消本訓令甲13・全改)