イワメ(国指定天然記念物)の保護について【竹田市神原の大野川水系イワメ生息地】

更新日:2022年09月14日

イワメ画像

イワメ (故木村清朗氏撮影1990)

竹田市神原の大野川水系イワメ生息地(国指定天然記念物)

(1)「イワメ」どんな魚?

サケ目サケ科サケ属に分類される淡水魚です。

アマゴやヤマメに似ていますが、イワメにはアマゴなどの体側等にみられる幼魚班(パーマーク)や黒点等がありません。突然変異により生じたアマゴの無班型だと考えられています。

また、竹田市ではアマゴのことを「エノハ(榎葉魚)」とも呼びます。『豊後国志』にも記され、古くから親しまれてきた川魚で、養殖も盛んに行われてきました。

イワメ01

水中を泳ぐイワメ

イワメ02
イワメ03

アマゴと一緒に泳ぐイワメ

イワメ04

アマゴ

※写真提供(大分大学北西滋准教授、2022年度イワメ生態調査より)

イワメとアマゴの見分け方(概略図)

イワメとアマゴの見分け方(概略図)

(2)イワメの生息地と保護の範囲

鎧淵

メンノツラ谷の「鎧淵の滝」

イワメが生息するのは、祖母山(標高1,756メートル)のふもとを流れる神原川の支流である波木合川の上流域、複数の谷にまたがる長さ約2.5キロ、最大幅約1.5キロ、広さ約16万平方メートルの範囲です。

ブナやコナラ、カシなど自然の植生の渓流で、そのうちメンノツラ谷では国内唯一とされるイワメ単独の生息域も確認され、遺伝学的・生態学的にも非常に貴重なエリアとなっています。

波木合川上流域に生息するイワメおよびアマゴは遺伝的多様性が非常に低いこと、さらにメンノツラ谷のイワメの産卵期はアマゴより2~3週間遅れていて生殖的隔離が進みつつあること等の特徴が指摘されています。

昭和41年(1966)3月より「祖母山系イワメ」(大分県指定天然記念物)としてその保護が図られてきましたが、平成31年(2018)2月に新たに「竹田市神原の大野川水系イワメ生息地」として国指定天然記念物に指定されました。

保護の範囲

上図で示す範囲内(特に白水橋より上流部分)がイワメの保護区域です。
イワメの生息状況に影響を及ぼす全ての行為に制限がかかります。
もちろん、イワメの捕獲や稚魚の放流は禁止です。

白水橋より上流域は「禁漁区」にもなっています

大野川流域におけるアマゴ(エノハ)の遊漁期間は3月1日より9月30日までとなっていますが、上に示した国指定天然記念物の保護範囲(指定範囲)とほぼ同範囲にあたる波木合川上流の白水橋から上流部分は「禁漁区」です。

違反した場合、文化財保護法、大分県文化財保護条例、竹田市文化財保護条例、大分県漁業調整規則、大野川漁業協同組合内共第3号第5種共同漁業権遊漁規則等の規定により罰せられます。

また、違反者を見かけた場合は、竹田警察署(0974-63-2131)へ速やかに通報してください。

この記事に関するお問い合わせ先

竹田市教育委員会まちづくり文化財課

〒878-8555
大分県竹田市大字会々1650番地
電話:0974-63-1111(内線321・322)

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