キリシタン洞窟礼拝堂(県指定史跡)
キリシタン洞窟礼拝堂(県指定史跡)
殿町武家屋敷通りから南側に入った赤松谷にある阿蘇溶結凝灰岩の岩壁に奥行3m・幅3m・高さ3.5m、広さ6畳ほどの洞窟が掘られています。
表面の岩壁には家形(五角形)の装飾が施され、5つの穴が開いています。
中央に開けられた穴が最も大きく(高さ1.70m×幅1.47m)、上部が尖頭アーチ状で、いわゆる「花頭窓」の形状をしています。この下方に階段状の遺構があることから、この穴が洞窟の入口であったと考えられます。扉を取り付けるための細工も確認できます。この正面入口の両側に2つずつ小窓のように穴が開けられていますが、とても人が通れるような大きさではありません。
洞窟内部はドーム型の天井で、奥壁には祭壇状の彫り込みがあり、表面には漆喰様の土が塗られています。また、腰の高さほどのところの壁に丸太を通すためのくぼみが作られています。
このような洞窟の形状がヨーロッパの教会を思わせることから、ドン・パウロ志賀親次の時代に竹田で盛んであったキリスト教の礼拝堂の跡ではないかと考えられてきました。
昭和33年3月25日、大分県指定史跡に指定されています。

洞窟礼拝堂

洞窟礼拝堂の内部

北村清士「切支丹礼拝堂址の解説」より

北村清士「切支丹礼拝堂址の解説」より
更新日:2023年10月13日