生誕130年記念「草刈樵谷－豊後南画、最後の巨匠－」展1

展覧会ポスター

開催趣旨

南画家草刈樵谷（1892-1993）の生誕130年を記念した回顧展を開催します。

ここ大分県竹田市は「豊後南画」の最高峰、田能村竹田（1777-1835）の生誕地です。竹田の出現をきっかけに田能村直入（1814-1907）や田近竹邨（1864-1922）をはじめ、これまで多くの南画家を竹田市から輩出してきました。生誕130年を迎える本展覧会の主役、草刈樵谷もその一人です。平成5年（1993）に100歳で亡くなるまで、大正時代から長きにわたり世紀を超えて、樵谷は南画家として詩書画三絶を旨とする多くの南画作品を世に送り出してきました。

樵谷は佐久間竹浦（1876-1925）に学んだ後、京都に出て田近竹邨に師事し、大正・昭和初期の日本南画院で活躍。昭和17年（1942）に新文展に入選を果します。しかし、昭和20年（1945）に中央画壇を離れて故郷へ帰省、翌年より田能村竹田の住まいであった竹田荘に移り住み、田能村竹田研究に没頭しながら南画制作を続けてきました。樵谷が最もこだわったのは竹田流の墨線でした。頑なに自らが憧れた田能村竹田の絵画芸術を追求し続け、描き出された樵谷独特の柔らかく温かな南画は「豊後南画」の中でも特別な存在感を放っています。

本展覧会では、竹田市名誉市民でもある草刈樵谷の画業を、約80点の作品を2期（1：令和3年7月17日～8月22日、2：令和4年2月18日～3月20日）で紹介し、南画制作に貫かれた草刈樵谷の魅力を探ります。

開催概要

生誕130年記念
『草刈樵谷－豊後南画、最後の巨匠－』 1

開催期間

2021年7月17日（土曜日）～8月22日（日曜日）

開館時間 9：00～17:00 ※最終入場は16:30まで

休館日 木曜日、7月26日（月曜日） ※7月22日（木・祝日）は開館します。

観覧料

高校生以上 500円（400円）
小中学生 300円（200円）
65歳以上 250円
幼稚園以下・各種障害者手帳提示者（付添1名含む）無料

※上記金額で国指定史跡「旧竹田荘」も見学できます

主催

竹田市、竹田市教育委員会

草刈樵谷

1992 年（平成4 年）、100 歳の草刈樵谷

草刈樵谷（辰生）は1892 年（明治25）5 月1 日に城下杣谷の旧藩士草刈家の二男に生まれた（父は捨吉、母はしま）。

若年より絵を好んだ樵谷は、同地の南画家佐久間竹浦に南画の基本的な技法を学んだ後、1919 年（大正8）に上京、同じく竹田市出身の南画家田近竹邨に師事した。京都在住の間、日本南画院に連続出品。1924 年（大正13）に日本南画院の院友となった。また、関西美術学院で洋画のデッサンを学んだ。1926 年（大正15）に妻みき（日本画家人見少華の妹）と結婚した。1928 年（昭和3）に大禮記念京都大博覧会に《秋山吟節》を出品、1937 年（昭和12）に第1 回南画連盟展に《渓夏》を出品し奨励賞を受賞、1942 年（昭和17）に第5 回新文展に《奔瀬図》が入選した。

1945 年（昭和20）に故郷竹田市へ帰省、翌年に竹田荘に入り、以後16 年間竹田荘の経営管理に従事する。かたわら田能村竹田研究に情熱を傾け、その画風を慕い南画制作を続けた。1974 年（昭和49）には、それらの功績が認められ竹田市名誉市民に選ばれている。

1993 年（平成5）2 月、100 歳の長寿を全うし、その生涯を閉じた。