魅惑のくじゅう―入山公、くじゅうと芸術・文学―

更新日:2021年09月01日

ご来館にあたってのお願い

新型コロナウイルス感染予防のため、以下のことをお願い申し上げます。

(1)マスクを着用すること。着用がない場合は入館をお断りいたします。

(2)入館時に手指消毒を行うこと。

(3)スタッフの指示に従い、入館時に検温を行うこと。

(4)連絡先の記入にご協力ください。

(5)館内ではソーシャルディスタンスを保ち、できるだけ会話を控えてください。

(6)発熱や風邪等の症状のある方は、来館をご遠慮ください。

展覧会ポスター

ポスター表
ポスター裏

開催趣旨

私たちは、古くから山に畏敬の念を抱き、森林の恵みを享受し、自然とともに生きてきました。8月11日・12日に開催された第5回「山の日」記念全国大会は、くじゅうの山々が主役でした。今回の企画展では、「山の日」にちなみ、くじゅうの山々や久住高原に魅了された人々を通して「くじゅうの魅力」について紹介します。

第1部では「入山」と号し、大船山に人馬鞍を活用して登山し自身の墓を大船山に築かせた岡藩3代藩主・中川久清、第2部ではくじゅうの山々を描いた江戸時代の絵図や明治以降の鳥観図、第3部ではくじゅうを訪れた種田山頭火・与謝野晶子・山下彬麿・川端康成らの文学、第4部ではくじゅうの山々を題材とした高田力蔵・白壁康・宇治山哲平・高山辰雄・岩澤重夫らの絵画作品等を通して、様々な「くじゅうの魅力」に触れていただきます。

皆さまのご来館をお待ちしています。

開催概要

第5回「山の日」記念特別企画展
『魅惑のくじゅう -入山公、くじゅうと芸術・文学-』

開催期間

2021年8月28日(土曜日)~10月17日(日曜日)

開館時間

9:00~17:00 ※最終入場は16:30まで

休館日

木曜日、9月24日(金曜日) ※9月23日(木・祝日)は開館します。

観覧料

高校生以上 500円(400円)
小中学生  300円(200円)
65歳以上  250円
幼稚園以下・各種障害者手帳提示者(付添1名含む) 無料

※上記金額で国指定史跡「旧竹田荘」も見学できます
※()は団体料金、20名以上
※城下町パスポート「城下町文化施設共通観覧利用券」で観覧可

主催

竹田市、竹田市教育委員会

特別協力

大分県立先哲史料館、大分県立美術館、ラムネ温泉館、竹田市久住支所

後援

大分合同新聞社、NHK大分放送局、OBS大分放送、TOSテレビ大分
OAB大分朝日放送、J:COM大分ケーブルテレコム

第1部 くじゅうに魅了されたお殿様 中川久清

大船山入山公廟

大船山中腹に築かれた入山公廟(中川久清公の墓所) 日本一高い所にある大名墓

人馬鞍

人馬鞍 竹田市歴史文化館蔵
(市指定有形文化財)

くじゅう連山の東部に位置する標高1,786mの大船山。その中腹、標高1,400mの地点に、岡藩3代藩主中川久清公が埋葬された「岡藩主中川家墓所(入山公廟)/平成9年、国史跡に指定)があり、大船山登山の途中に立ち寄ることができます。同地には、四女井津姫、六男久矩の墓も築かれました。

中川久清は承応3年(1653)に39歳で岡藩主となりました。領内の検地を行い、諸制度を改革。岡山より儒学者熊沢蕃山を招き、その献策により植林や水路開削などを行った他、城下町に古町を開き、岡城西の丸の整備を行いました。寛文6年(1666)に隠居、家督を長男の久恒に譲った後、天和元年(1681)に67歳で病没。岡藩中興の英主として後世の人々に尊敬されました。

左の人馬鞍は来田見神社(入山神社)に伝来したもの。久清はこの鞍にまたがり、屈強な配下の者に背負われ登山したと考えられています。

第1部では、人馬鞍や肖像画のほか、平成27~30年の発掘調査で見つかったオリジナルの墓標(花崗岩製)など、入山公関連資料を特別公開します。

第2部 絵図の中のくじゅう

鳥瞰図

竹田町及び附近名勝案内図 1927年(昭和2)大分県立先哲史料館蔵

豊後国志

寛政訂正豊後州郡図第五(部分)伊藤家文書 1901年(享和元)竹田市歴史文化館蔵

大正から昭和にかけて起こった観光ブームの中で、鳥瞰図は好んで用いられ、旅行パンフレット等に取り入れられました。

上の「竹田町及び附近名勝案内図」には、久住山や大船山とともに、「中川入山公墓」が描かれています。

左は江戸時代に描かれた絵図で、岡藩が作成した地誌「豊後国志」の附図にあたるものです。

この他、久住を代表する古刹・猪鹿狼寺が所蔵する「久住山図」など、江戸時代から近代にかけて作成された絵図を紹介します。

第3部 くじゅうと文学

写真02

昭和7年、久住町の種蓄場で撮影された写真。

右端が後藤是山、その隣が工藤元平
中央が与謝野鉄幹、着物を着た女性が晶子
座っているのが油屋熊八

(竹田市久住支所蔵)

久住高原にたくさんの文学碑があることをご存じでしょうか。
くじゅうの山々と久住高原が魅せる四季折々の風景は、ここを訪れた多くの文学者を魅了してきました。

雨降り峠に立つのは北原白秋の歌碑。

草深野ここにあふげば国の秀や久住は高し雲を生みつつ

白秋が昭和3年の夏に久住を訪れた際に書き残したもので、昭和41年に歌碑の除幕式が行われました。

歌人与謝野晶子・鉄幹夫妻も昭和6・7年に久住を訪れ、その雄大な景観に魅了され、多くの歌を詠んでいます。

大いなる師に近づくと似たるかな久住の山に引かるる心 (鉄幹)

九州のあるが中にも高嶺なる 久住の裾野うらがれにけり (晶子)

いずれも南登山口近くに歌碑が立っています。
この3人の他、野口雨情・川端康成・山下彬麿など著名な詩人・歌人・小説家が久住を訪れました。

文学碑を中心に、久住を訪れた文学者の作品と関連資料を紹介します。

 

与謝野晶子の歌碑

与謝野晶子の歌碑

第4部 くじゅうと芸術

近代から昭和にかけて活躍した画家たちが表現したくじゅうの魅力を紹介します。

春陽会会員で西洋の名画の模写でも知られた福岡県久留米市出身の洋画家・高田力蔵(1900-1992)は、飯田高原や久住高原の自然に魅せられて、数々の連作を制作。川端康成の友人でもあり、川端が大分県の招きで訪れた際には久住高原を案内、小説「千羽鶴」の挿絵を担当しました。そして、一水会会員の洋画家・白壁康(1908-1997)は熊本県宇土市の生まれですが、昭和21年より久住に移り住み、くじゅうの山々を題材にした数多くの作品を残しています。

「くじゅうを描いた画家」といえば高田力蔵と白壁康の2人。くじゅうの山々や久住高原の魅力の虜となった代表的な画家といえます。

この他、大分県を代表する画家である宇治山哲平(1910-1986)高山辰雄(1912-2007)岩澤重夫(1927-2009)の3人が描いた「くじゅう」も紹介します。彼らもまた度々久住高原を訪れては写生を行っていました。

高田力蔵

高田力蔵・坊ヶづるのつつじ
1954年(昭和29年)ラムネ温泉館蔵

白壁 久住支所

白壁康・若草の久住山 竹田市蔵

白壁

白壁康・秋の久住山 大分県立竹田高等学校蔵

この記事に関するお問い合わせ先

竹田市歴史文化館 由学館

〒878-0013
大分県竹田市竹田2083
電話:0974-63-2200

お問い合わせはこちら