野良猫に餌をあげている方へ
猫に餌だけあげていませんか
「家で猫を飼いたいけど飼えない。でもおなかを空かしている可哀そうな猫を助けたい。」
その猫たちを助ける事は餌をあげる事ではありません。
餌をもらった猫たちは、ご近所の庭や公園で糞尿をしたり、夜中に鳴き声がうるさくて、迷惑をかけていませんか?ご近所の嫌われ者になり、ご近所の方から苦情を受けていませんか?
餌をもらっている猫は、栄養状態が良くなり子猫をたくさん産むようになります。その結果、狭い地域に猫が密集し、病気をもらったり、交通事故にあう危険性が高くなります。
「あなたが餌だけをあげることで、かわいそうな猫を増やすことになっていませんか?」
猫は平均して3回発情して、1回に5頭くらいの子猫が生まれます。
猫の新しい飼い主を探すことはとても大変です。
子猫をすべて飼うことができないのであれば、必ず避妊・去勢手術をしてください。
オス猫であっても同じです。
飼えない猫を公園や他人の家等に置き去りにすることは「動物の愛護及び管理に関する法律」により罰せられます。
(愛護動物の遺棄30万円以下の罰金)
猫に餌をあげるときはルールを決めましょう
餌やりを続けるには、ご近所の理解が必要です。ご近所の方々の理解のうえ、ルールを決めて猫の世話をしましょう。
ルールの例
・餌やりのルールを決める。
(餌を与える場所、時間を決める。餌を食べ終わったら片づける。)
・トイレの場所を決める。
(あちこちでされるより、同じ場所でするように仕向ける。糞尿の管理を行う。)
・餌の食べ残しや、糞の掃除を敢行し、生活環境の汚染を防ぐ。
(糞だけでなく、周囲の清掃も併せてすることで地域がきれいになります。)
・避妊・去勢手術をする。
(かわいそうな猫を増やさないようにしよう。)
野良猫の寿命は3~5年と言われています。きちんと管理をすればその地域から野良猫はいなくなると考えられています。
猫を排除するのではなく、猫がそれ以上増えないように、その地域で適正に管理しながら共に生きていきましょう
猫から人にうつる病気があります
元気な猫でも人にうつる病気を持っていることがあります。
猫が感染したからといって、すぐに人に感染するということはありませんので、神経質になりすぎることはありませんが、ある程度の注意は必要です。
感染を防止するためには、ふんや尿を適切に始末し手を洗うことや自分のお箸でえさをあげる等の過剰な接触をしないことがポイントです。
なかなか症状が改善しない等の心配なことがありましたら、医師の診察を受けましょう。
トキソプラズマ症
トキソプラズマ・ゴンティと呼ばれる原虫(寄生虫の一種)によりおこります。
トキソプラズマは世界的に分布し、猫の他、人や家畜(特に豚)に感染しますが、猫が感染すると、人に感染性のあるオーシストを糞便中に3週間近くもの間排出しますので注意が必要です。
(人の症状)
成人は無症状で、風邪様の症状があっても自然に治癒することが多いようです。
妊婦が感染をすると、原虫が胎児に移行し、先天性トキソプラズマ症や流産、死産の原因になることがあります。
病院でトキソプラズマの抗体検査を受けることができます。
1度感染していれば、再感染することはありません。妊婦が抗体陰性のときは気をつける必要があります。
(注)オーシストとはトキソプラズマ原虫が感染型に形を変えたものをいいます。
(人への感染防止)
正確な感染経路は不明ですが、
1 感染中の猫は糞便中にオーシストを排出しますが、排出直後のオーシストは未成熟の状態で感染力は高くありません。
排出後2~3日で感染力を持った成熟オーシストになりますので、猫のトイレは毎日きれいにしてください。
2 園芸等の作業で、土壌中のオーシストが口に入る可能性もありますから手洗いをしましょう。
Q熱
Q熱はコクシエラ・バーネットと呼ばれるリケッチア(細菌とウイルスの中間の性質を示すもの)により感染します。
世界中に広く分布し、ダニが病原体を媒介し、野生動物、家畜、犬や猫等広範囲の動物が感染します。
人間以外の動物は感染しても症状を示すことが少ないので注意が必要です。
(人の症状)
インフルエンザのような症状で、2~3週間の潜伏期のあと、悪寒、急激な発熱(38~40℃)が起こり、特に頭痛や筋肉痛が強く表れます。
また肺炎症状、肝機能障害が出ることもあり、心内膜炎に移行すると治療が困難になります。
(人への感染)
家畜と接する機会の多い畜産関係者が感染することが多いのですが、猫からの感染も報告されています。
感染した動物の糞便・乳汁・尿から病原体が排出され、これらの飛沫等を吸引することで感染します。
猫ひっかき病
猫に引っかかれたり、咬まれたあと、発症します。
(人の症状)
傷が赤く腫れ、潰瘍ができたり、発熱、リンパ節が腫れたりします。
(人への感染)
健康な猫の口の中にもあるバルトネラ菌とよばれる細菌でおこることが、最近わかりました。
猫にひっかかれたり、咬まれることで感染しますが、咬まれたら必ず発症するのではなく、身体の弱っている時の症状が出ます。
咬まれた時は、傷口をよく洗い、消毒しておいた方が良いでしょう。
更新日:2024年12月12日