○竹田市男女共同参画推進条例

平成19年3月27日

条例第2号

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、市、市民及び事業者等の責務を明らかにするとともに、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し、もって男女共同参画社会を実現することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。

(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。

(3) 市民 市内に住所を有する者及び市内に通勤又は通学する者をいう。

(4) 事業者等 事業者及びその他の民間団体で、市内において活動するものをいう。

(5) セクシュアル・ハラスメント 他の者を不快にさせる性的な言動(以下この号において「性的な言動」という。)により個人の生活環境を害すること又は性的な言動に対する個人の対応に起因して当該個人に不利益を与えることをいう。

(6) ドメスティック・バイオレンス 配偶者又は男女の親密な関係にある者若しくはあった者に対する身体的、精神的、経済的又は言語的な暴力及び虐待をいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画の推進は、次に掲げる基本理念にのっとり推進されなければならない。

(1) 男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されること。

(2) 社会における制度又は慣行が、性別による固定的な役割分担等を反映して、男女共同参画の推進を阻害する要因となるおそれがあることを考慮し、社会のあらゆる分野における活動の選択に関して、男女が、制度又は慣行により差別されないよう配慮されること。

(3) 男女が、社会の対等な構成員として、市における政策又事業所等における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されること。

(4) 男女が、子育て、家族の介護その他の家庭生活における活動に関し家族の一員として相互に協力し、当該家庭生活における活動と職場、学校、地域等における活動との両立を図ることができるようにすること。

(5) 男女共同参画の推進が国際社会における取組と密接な関係を有していることにかんがみ、その推進は、国際的協調の下に行われなければならないこと。

(市の責務)

第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

2 市は、男女共同参画施策を実施するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念にのっとり、職場、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、男女共同参画を推進するよう努めなければならない。

2 市民は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者等の責務)

第6条 事業者等は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、男女共同参画の推進に自ら積極的に取り組み、男女が職場における活動に対等に参画する機会の確保に努めるとともに、男女が職業生活における活動と家庭生活における活動その他の活動とを両立して行うことができる職場環境を整備するよう努めなければならない。

2 事業者等は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(性別による権利侵害の禁止)

第7条 何人も、職場、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、性別による差別的取扱い、セクシュアル・ハラスメント又はドメスティック・バイオレンスを行ってはならない。

(公衆に情報を表示する場合の配慮)

第8条 何人も、公衆に情報を表示する場合は、性別による固定的な役割分担、セクシュアル・ハラスメント又はドメスティック・バイオレンスを助長し、又は是認する表現を用いないよう努めなければならない。

(男女共同参画基本計画)

第9条 市長は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な計画(以下「男女共同参画基本計画」という。)を策定しなければならない。

2 男女共同参画基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画の推進に関する施策の大綱

(2) 前号に掲げるもののほか、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するために必要な事項

3 市長は、男女共同参画基本計画を策定し、又は変更しようとするときは、竹田市男女共同参画推進委員会に諮問しなければならない。

4 市長は、男女共同参画基本計画を策定し、又は変更したときは、速やかにこれを公表しなければならない。

(政策の立案及び決定の過程への男女共同参画)

第10条 市は、積極的改善措置として、次に掲げる措置その他の措置を講ずるものとする。

(1) 市における政策の立案及び決定の過程への女性の参画を積極的に推進すること。

(2) 事業者等における方針の立案及び決定の過程への女性の参画を積極的に推進するため、当該事業者等に対し、助言、情報の提供その他の必要な支援を行うこと。

(市民及び事業者等の理解を深めるための措置)

第11条 市は、市民及び事業者等に対し、広報活動等を通じて、基本理念に関する理解を深めるよう適切な措置を講じなければならない。

(調査研究)

第12条 市は、男女共同参画施策の総合的かつ計画的な実施のため、必要な情報の収集及び分析その他の調査研究を行うものとする。

(教育及び学習の充実)

第13条 市は、学校教育、社会教育その他の教育の分野において、男女共同参画の推進に関する教育及び学習の充実に努めるものとする。

(市民及びその団体への支援)

第14条 市は、男女共同参画の推進に関する活動を行う市民及びその団体に対し、当該活動に係る助言、情報提供その他の必要な支援を行うものとする。

(家庭生活における活動と他の活動の両立)

第15条 市は、家族を構成する男女が共に家庭生活における活動とその他の活動とを両立して行うことができるように、情報の提供その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(事業者等に対する支援等)

第16条 市は、事業者等に対し、その雇用における男女の平等な機会及び待遇の確保に関する自主的な取組を促進するため、助言、情報提供その他の必要な支援を行うものとする。

2 市長は、必要があると認めるときは、事業者等に対し、男女共同参画の推進に関する状況について報告を求めることができる。

(市民及び事業者等からの申出等)

第17条 市長は、市民及び事業者等から、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策若しくは男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策に係る苦情の申出、性別による差別的取扱いその他の男女共同参画の推進を阻害する要因による人権侵害に係る相談又は男女共同参画の推進に必要と認められる意見等の申出があった場合は、適切な処理に努めるものとする。

(実施状況等の公表)

第18条 市長は、毎年、男女共同参画の推進状況及び男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について公表しなければならない。

(竹田市男女共同参画推進委員会)

第19条 第9条第3項に規定する竹田市男女共同参画推進委員会の設置並びに必要な事項は、市長が別に定める。

(委任)

第20条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成19年4月1日から施行する。

(竹田市男女共同参画推進委員会設置条例の一部改正)

2 竹田市男女共同参画推進委員会設置条例(平成18年竹田市条例第42号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(経過措置)

3 この条例の施行前までに行われた第9条第3項の規定による諮問は、この条例による改正前の竹田市男女共同参画推進委員会設置条例第2条第1号の規定により行われたものとみなす。

竹田市男女共同参画推進条例

平成19年3月27日 条例第2号

(平成19年4月1日施行)