竹田市歴史文化館特別展〈瀧廉太郎 憾の真実〉の開催について

更新日:2021年04月01日

竹田市歴史文化館特別展「瀧廉太郎 憾の真実」はじまりました!

 

遺作『憾』の手稿譜をはじめとする鈴木毅一旧蔵資料を公開、明らかになった『憾』の作曲過程を紹介し、瀧廉太郎の生涯と業績を再確認する展覧会を開催。

 

竹田市歴史文化館・由学館では特別展「瀧廉太郎 憾の真実」を開催しています。

少年時代を竹田で過ごし、後に日本の近代音楽の扉を開いた天才音楽科 瀧廉太郎(1879-1903)。およそ24年という短い生涯で夭折した彼が最期に作曲した曲が『憾(うらみ)』です。2019年に竹田市へ寄贈された「鈴木毅一関係資料」の中に、驚くべきことに『憾』の手稿譜と作曲途中の草稿譜が残されていたのです。竹田市では、「瀧廉太郎生誕140年記念事業~遺作『憾』の真実~」を2019年8月24日に竹田市総合文化ホールで開催してその調査成果を発表し、『憾』手稿譜等を期間限定で初公開しました。

この度、瀧廉太郎が過ごした城下町に竹田市歴史文化館・由学館がオープンし、『憾』手稿譜をはじめとする「鈴木毅一関係資料」を広く公開することができるようになりました。本展では、「鈴木毅一関係資料」中の瀧廉太郎関係資料を中心に楽譜や写真などの資料を展示し、彼の生涯と業績を概観するととともに、遺作「憾」の作曲過程も紹介します。

 

 

展覧会名|特別展「瀧廉太郎 憾の真実」

開催期間|2021年3月19日金-4.25日

開催場所|竹田市歴史文化館・由学館 特別展示室

( 〒878-0013 大分県竹田市大字竹田2083番地 )

開館時間|9:00~17:00 最終入場16:30 休館日|木曜日 

観覧料|一般500円(400円) 65歳以上250円 小中学生300円(200円)

幼稚園以下無料 各種障害者手帳提示者とその介護者1名は無料 

※1 ()内は団体料金です〔20名以上〕

※2 上記観覧料には国指定史跡旧竹田荘の観覧料も含まれます。

主催|竹田市 竹田市教育委員会

後援|大分合同新聞社 NHK大分放送局 OBS大分放送 TOSテレビ大分

OAB大分朝日放送 J:COM大分ケーブルテレコム

 

●瀧 廉太郎

明治12(1879)年8月24日、父吉弘・母正子のもと東京市芝区南佐久間町(当時)生まれる。瀧家は江戸時代、豊後日出藩の家老職をつとめた家柄であり、 父・吉弘は大蔵省から内務省に転じ、大久保利通や伊藤博文らのもとで内務官僚として勤めた後、地方官として横浜、富山、東京、大分と転居し、廉太郎も転校を繰り返した。

 

父が直入郡長となり、明治24(1891)年12月に一家全員で竹田へ移り、翌25年1月に直入郡高等小学校第2学年に転入した。当時、廉太郎は12歳。学校の裏にある岡城跡で遊んだり、石垣に座り尺八を吹いたりしていたという。

 

明治27(1894)年5月に上京し、芝唱歌会に入会。東京の従兄・大吉のもとで生活する。同年9月には音楽学校予科へ入学し、翌年に本科専修部へ進学。明治31(1898)年に本科を首席で卒業し、研究科へ進学した。明治32(1899)年に音楽学校のピアノの授業嘱託となっている。

在学中より作曲活動に励み、明治33(1900)にはピアノ及び作曲研究のため、ドイツ留学を命ぜられ、明治34(1901)年4月に横浜港を出航した。同時期に「四季」(「花」「納涼」「月」「雪」)「中学唱歌」(「荒城の月」「箱根八里」ほか)や「幼稚園唱歌」(「お正月」「鳩ぽっぽ」ほか)を発表している。ドイツ留学中に結核を患い、翌年に帰国。その後は大分へ戻り、病気療養の傍ら作曲を続け、「荒磯」や「憾」を作曲するが、明治36(1903)年6月29日、大分で病死。23歳10カ月の短い生涯であった。

 

●鈴木 毅一

明治10(1877)年、静岡県掛川市で問屋場を営んだ旧家の長男に生まれる。瀧廉太郎より2歳年上だが、音楽学校では瀧廉太郎の1年後輩にあたる。

中学校時代に音楽の道を志し、父の反対を押し切って、中学を中退し上京、神田美土代町にあった親戚の家に身を寄せる。明治28(1895)年9月に音楽学校予科に入学、翌年に本科専修部に進学。明治32(1899)年7月に師範部を卒業し,翌33(1900)年1月に宮崎師範学校に赴任した。しかし、勉学のため1年半余りで休職、東京に戻る。明治44(1911)年4月に愛知県第二師範学校に赴任するまでの約9年間、東京で生活。その間、音楽学校の研究科(明治35年4月~42年3月)と音楽学校管弦部(同35年9月~44年4月)に籍を置くかたわら、中学校や尋常高等小学校等、複数の学校で教員を勤めた。大正14(1925)年に新潟県立新発田高等女学校に赴任するが、翌年の4月に50歳で生涯を閉じた。

こんな珍しいものも展示しています。(チャイム式自動演奏装置/荒城の月)