市長の部屋

市長挨拶 令和5年新年互礼会より

玉来ダム竣工式

今年の干支は「癸卯(みずのと・う)」でございます。

「癸卯(みずのと・う)」の年は、「寒気が緩み、萌芽(ほうが)を促す年」と言われております。コロナ禍以降、停滞し続けていた世の中に、そろそろ希望が芽吹く春を期待したいものです。

さて、昨年は竹田市にとって、節目となる一年となりました。平成2年の大水害から32年。市民が待ちに待った玉来ダムがようやく竣工を迎えました。

昨年9月に九州を縦断し、各地で多くの被害をもたらした台風14号では、平成24年の九州北部豪雨と同程度の雨量を観測するなど大変心配をいたしましたが、試験湛水中であった玉来ダムが早速治水効果を発揮し、玉来川の水位上昇を抑え稲葉ダムのある稲葉川流域とともに河川の氾濫を食い止めることができました。

竹田阿蘇道路着工式

加えて、昨年12月11日には中九州横断道路竹田阿蘇道路の着工式が執り行われ、いよいよ大分県と熊本県を結ぶ要の道路整備が始まります。この機会を逃さないよう、引き続き竹田阿蘇道路の早期完成を目指し更なる予算獲得に向け強力に推進するとともに、道づくりが町づくりになるよう努めてまいります。

ところで、昨年11月末の住民基本台帳人口がついに2万人を割り、新たに生まれた赤ちゃんの人数も平成30年度から2桁台で推移、特に令和3年度に生まれた赤ちゃんの人数は65人と最も少なく、令和4年度も同数程度が推測されております。竹田市は18年前の市町合併以来、県下の市の中でも極めて高い人口減少率であり歯止めをかけることができずにおります。このままでは国立社会保障・人口問題研究所の推定通り、20年後には人口1万2千人の自治体となってしまいます。

それに加え、先般公表した「中期的な財政収支の試算」において今後5年間で約15億6千万円の赤字になる見通しで、非常に厳しい財政運営が予想されます。

このような状況を総合的に勘案し、私たちはこの人口減少社会に正面から対峙し、そのことに対応した新しい地域づくりに取り組まなければならないのです。

仕事始め式

私は昨年末、市役所の仕事納め式の際に職員に次のことを伝えました。

私の市長就任以来の基本理念である『「いのちを守り、いのちを育み、いのちが輝く」竹田市づくりの「いのち」とは何か。それは単純化して言えば「人」のことです。』と。

『その「人」とは何かというと、自分のことではありません。』と。

つい最近もこういったことがありました。私は東京出張で新橋に泊まった時には翌朝、築地の本願寺で朝のお勤めを致します。そのお務めの後に短い法話をいただくのですが、ある日のこと。小学一年生になったばっかりの子どもたちがお寺にやって来たので「ドラえもんに会えたらどうする?」と尋ねました。すると子どもたちから、どこでもドアを出してとかタケコプターが欲しいとか様々な意見が飛び交いました。そんな中、ある女の子がこう言ったのです。

「ドラえもんにどら焼きをあげたい。そして、喜んでる姿をみたい。」と。そう、その子はドラえもんが先、つまり、あなたが「先」なのです。自分の目の前にいる「あなた」。自分の事や、自分の物語などどうでもいい。あなたをどう思い、どう接するのかが重要なのです。

今後とも、市民一人ひとりがこの竹田市で幸せに暮らすことができるよう、人を、より正確に言えば「自分以外の誰かのために」を政策の中心に置き、誰もが与えられた命に深く感謝し、生まれてきて良かったと、命の充足感を味わうことができる竹田市づくりに邁進して参る所存ですので、皆様のご理解、ご協力を切にお願い申し上げます。

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