部落差別解消推進法【2016(H28)12.16施行】
部落差別の解消の推進
「部落差別解消推進法」が施行されました。
2016(平成28)年12月16日に「部落差別の解消の推進に関する法律」が施行されました。
この法律は、「現在もなお部落差別が存在する」との認識を示し、「基本的人権を保障する憲法の理念にのっとり、部落差別は許されない。部落差別の解消を推進し、もって部落差別のない社会を実現することを目的」としています。
地方公共団体の責務として、国と連携し、地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものと規定されています。
また、「相談体制の充実」や「教育及び啓発」「実態調査」等、部落差別の解消に向けて努めるものとされています。
<部落差別解消推進法のポイント>
《第1条関係:目的》
「部落差別が存在する」ことを認知した。
「部落差別は許されない」ものであることを明確にした。
「部落差別の解消を推進し、もって部落差別のない社会を実現する」ことを目的として定めた。
《第2条関係:基本理念》
「部落差別を解消する必要性に対する国民一人一人の理解を深める」ことを求めた。
《第3条関係:国及び地方公共団体の責務》
「部落差別の解消に関する施策を講ずる」ことを国及び地方公共団体の責務とした。
《第4条関係:相談体制の充実》
「部落差別に関する相談体制の充実」を国及び地方公共団体に求めた。
《第5条関係:教育及び啓発》
「部落差別を解消するための教育及び啓発を行う」ことを国及び地方公共団体に求めた。
《第6条関係:部落差別の実態に係る調査》
「部落差別の実態に係る調査を行う」ことを地方公共団体の協力を得て行うよう国に求めた。
■「部落差別の解消の推進に関する法律」(平成二十八年法律第百九号)
(目的)
第一条 この法律は、現在もなお部落差別が存在するとともに、情報化の進展に伴って部落差別に関する状況の変化が生じていることを踏まえ、全ての国民に基本的人権の享有を保障する日本国憲法の理念にのっとり、部落差別は許されないものであるとの認識の下にこれを解消することが重要な課題であることに鑑み、部落差別の解消に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、相談体制の充実等について定めることにより、部落差別の解消を推進し、もって部落差別のない社会を実現することを目的とする。
(基本理念)
第二条 部落差別の解消に関する施策は、全ての国民が等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、部落差別を解消する必要性に対する国民一人一人の理解を深めるよう努めることにより、部落差別のない社会を実現することを旨として、行われなければならない。
(国及び地方公共団体の責務)
第三条 国は、前条の基本理念にのっとり、部落差別の解消に関する施策を講ずるとともに、地方公共団体が講ずる部落差別の解消に関する施策を推進するために必要な情報の提供、指導及び助言を行う責務を有する。
2 地方公共団体は、前条の基本理念にのっとり、部落差別の解消に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、国及び他の地方公共団体との連携を図りつつ、その地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとする。
(相談体制の充実)
第四条 国は、部落差別に関する相談に的確に応ずるための体制の充実を図るものとする。
2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、その地域の実情に応じ、部落差別に関する相談に的確に応ずるための体制の充実を図るよう努めるものとする。
(教育及び啓発)
第五条 国は、部落差別を解消するため、必要な教育及び啓発を行うものとする。
2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、その地域の実情に応じ、部落差別を解消するため、必要な教育及び啓発を行うよう努めるものとする。
(部落差別の実態に係る調査)
第六条 国は、部落差別の解消に関する施策の実施に資するため、地方公共団体の協力を得て、部落差別の実態に係る調査を行うものとする。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
部落差別の解消の推進に関する法律案に対する附帯決議
(平成28年11月16日/衆議院法務委員会)
政府は、本法に基づく部落差別の解消に関する施策について、世代間の理解の差や地域社会の実情を広く踏まえたものとなるよう留意するとともに、本法の目的である部落差別の解消の推進による部落差別のない社会の実現に向けて、適正かつ丁寧な運用に努めること。
部落差別の解消の推進に関する法律案に対する附帯決議
(平成28年12月8日/参議院法務委員会)
国及び地方公共団体は、本法に基づく部落差別の解消に関する施策を実施するに当たり、地域社会の実情を踏まえつつ、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 部落差別のない社会の実現に向けては、部落差別を解消する必要性に対する国民の理解を深めるよう努めることはもとより、過去の民間運動団体の行き過ぎた言動等、部落差別の解消を阻害していた要因を踏まえ、これに対する対策を講ずることも併せて、総合的に施策を実施すること。
二 教育及び啓発を実施するに当たっては、当該教育及び啓発により新たな差別を生むことがないように留意しつつ、それが真に部落差別の解消に資するものとなるよう、その内容、手法等に配慮すること。
三 国は、部落差別の解消に関する施策の実施に資するための部落差別の実態に係る調査を実施するに当たっては、当該調査により新たな差別を生むことがないように留意しつつ、それが真に部落差別の解消に資するものとなるよう、その内容、手法等について慎重に検討すること。
この記事に関するお問い合わせ先
竹田市人権・部落差別解消推進課
〒878-8555
大分県竹田市大字会々1650番地
電話:0974-63-1111(内線290)
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更新日:2022年04月18日