○竹田市議会基本条例
平成25年3月22日
条例第29号
目次
前文
第1章 目的(第1条)
第2章 議会及び議員の使命と活動原則(第2条―第4条)
第3章 市民と議会の関係(第5条)
第4章 市長等と議会の関係(第6条―第8条)
第5章 自由討議による合意形成(第9条)
第6章 委員会の運営(第10条)
第7章 政治倫理(第11条)
第8章 政務活動費(第12条)
第9章 議員定数及び議員報酬(第13条・第14条)
第10章 議会及び議会事務局の体制整備(第15条―第19条)
第11章 最高規範性(第20条)
附則
竹田市議会(以下「議会」という。)は、日本国憲法にうたわれている地方自治の本旨を実現するため、竹田市民(以下「市民」という。)から、直接選挙で選ばれた議員によって構成される地方公共団体の意思決定機関としての役割と責務を持っている。また、地方分権が進む中で議会は、市政運営に関して市長との二元代表制の一翼を担う重大な責任を認識し、市長及びその他の執行機関(以下「市長等」という。)に対する行政監視並びに議員間の自由な討議による政策立案及び立法といった機能をしっかり果たし、開かれた議会を目指す。
議会は、第一に市民福祉向上のため、全力をあげてその信託に応えることをここに誓い、全議員の総意により竹田市議会基本条例(以下「条例」という。)を制定する。
第1章 目的
(目的)
第1条 この条例は、議会及び議員の使命と活動原則その他議会の運営に関する基本的事項を定めることにより、市民福祉の向上と市政の発展に資することを目的とする。
第2章 議会及び議員の使命と活動原則
(議会の使命と活動原則)
第2条 議会は、合議制の特徴を生かし、民意を代表する議員の議会活動を通じて、市民の多様な意見を集約し、市政に適切に反映させることを使命とする。
2 議会は、前項の使命を果たすために、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。
(1) 市長等が執行する事務について監視し、及び評価すること。
(2) 公平性、透明性及び信頼性を確保し、市民に開かれた議会をめざすこと。
(3) 市民の多様な意見を的確に把握し、政策形成に反映できるよう市民参加の機会の拡充に努めること。
(4) 把握した市民の意見の下に政策提言、政策立案等の強化を図ること。
(5) 議会内での申し合わせ事項は、必要に応じて見直しを行うこと。
(6) 市民の傍聴の意欲を高める議会運営を行うこと。
(議員の使命と活動原則)
第3条 議員は、市民の直接選挙によって選ばれた公職として、常に市政の課題を把握し、公益性の見地から、市全体を見据え、市民の多様な意見を市政に反映させることを使命とする。
2 議員は、前項の使命を果たすため、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。
(1) 議会が言論の府であること、及び合議制の機関であることを十分認識し、議員間の自由な討議を重んじること。
(2) 市政の課題全般について市民の意見を的確に把握するとともに、自己の能力を高め資質の向上を図ること。
(3) 議会の構成員として、市民全体の福祉の向上をめざし活動すること。
(4) 議会活動について、市民に対する説明責任を果たすこと。
(会派)
第4条 議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができる。
2 会派は、政策を中心とした同一の理念を共有する議員で構成するものとする。
3 会派は、議会活動について、市民に対し説明するよう努めなければならない。
第3章 市民と議会の関係
(市民参加及び市民との連携)
第5条 議会は、市民に対してその信頼性を高め、議会の活動に関する情報発信を徹底するとともに、市民に対する説明責任を果たさなければならない。
2 議会は、本会議のほか、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会を原則公開するものとする。
3 議会は、常任委員会及び特別委員会の運営にあたり、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用して、市民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるように努めるものとする。
4 議会は、請願及び陳情を市民による政策提案と位置づけるとともに、その審議においては、これら提案者の意見を聞く機会を設けることができるものとする。
5 議会は、市民、市民団体等との意見交換の場を設けて、議員の政策立案能力を強化するとともに、政策提案の拡大を図るものとする。
6 議会は、重要な議案に対する各議員の意見を議会広報で公表する等、議員の活動に対して市民の評価が的確になされるよう情報の提供を図るものとする。
7 議会は、市民との意見交換会の開催等により、議会の活動に市民が参加できる機会を確保するとともに、市民の意見を反映させた政策提言の拡大を図るものとする。
第4章 市長等と議会の関係
(市長等との関係の基本原則)
第6条 議会審議において、議員は、市長等に対して、緊張感を保持しなければならない。
2 議会における、代表質問及び一般質問は、広く市政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答の方式で行う。
3 市長及び本会議に出席を要請されたその他の者は、議員の質問等に対して、議長の許可を得て反問することができる。
(政策等の監視及び評価)
第7条 議会は、市長から市民生活に重要な影響を与える政策、計画、施策、事業等(以下「重要な政策等」という。)を含む議案が提案されたときは、次に掲げる事項の説明を求めるものとする。
(1) 重要な政策等を必要とする背景
(2) 提案に至るまでの経緯
(3) 市民参加の実施の有無及びその内容
(4) 竹田市総合計画との整合性
(5) 関係法令及び条例等
(6) 財源措置
(7) 将来にわたる効果及び費用
2 議会は、重要な政策等の提案を受けたときは、立案及び執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。
(予算案又は決算案における政策説明資料の提供)
第8条 議会は、市長等が予算案又は決算案を議会に提出し、議会の審議に付すに当たっては、分かりやすい施策別又は事業別の政策説明資料の提供を求めるものとする。
第5章 自由討議による合意形成
(自由討議による合意形成)
第9条 議会は、言論の府であることを十分に認識し、議員相互の自由な討議の場を設けることができるものとする。
2 議長及び常任委員長等は、議員相互の自由な討議が積極的に行われるように議会政策協議会、常任委員会等に討議の場を設けることができるものとする。
3 議員は、議員相互の自由な討議を通じて合意形成を図るよう努めるものとする。
第6章 委員会の運営
(委員会の運営)
第10条 議会は、社会経済情勢の変化により新たに生じる行政課題等に迅速かつ的確に対応するため、委員会の専門性と特性を考慮し、委員会を適時開催するものとする。
2 委員会は、付託された議案等の審査に当たり、参考人制度及び公聴会制度を活用して、市民の専門的又は政策的識見等をその討議に反映させるよう努めるものとする。
3 委員会は、市民からの要請に応じ、審査の経過等を説明するとともに、委員及び市民が自由に情報及び意見を交換する懇談会等を行うよう努めるものとする。
第7章 政治倫理
(政治倫理)
第11条 議員は、市政が市民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その信託にこたえるため、政治倫理の確立に努めなければならない。
2 議員の政治倫理に関しては、竹田市政治倫理条例(平成17年竹田市条例第5号)の定めるところによる。
第8章 政務活動費
(政務活動費)
第12条 議員は、政策の審議、立案能力等資質の向上を図るため、政務活動費を有効に活用し、積極的に市政に関する調査研究を行わなければならない。
2 議員は、政務活動費を適正に執行し、市民に対しその使途についての説明責任を果たさなければならない。
3 議員は、研修を行う場合は議長に対し計画書を提出し、研修終了後は直ちに報告書を提出しなければならない。
4 政務活動費の交付に関しては、竹田市議会政務活動費の交付に関する条例(平成17年竹田市条例第261号)の定めるところによる。
第9章 議員定数及び議員報酬
(議員定数)
第13条 議員定数は、第2条及び第3条の規定に定める議会の活動原則及び議員の活動原則に沿った、議会としての機能を果たすことを基本とし、竹田市議会議員定数条例(平成20年竹田市条例第42号)により定めるものとする。
2 議員定数の改正に当たっては、市政の現状及び課題、将来予測等を十分に考慮し、市民の意見を聴取したうえで決定するものとする。
(議員報酬)
第14条 議員報酬は、市民の信託に応える議員活動への対価であることを基本とし、竹田市議会議員報酬及び費用弁償条例(平成17年竹田市条例第46号)に定めるものとする。
2 議員報酬の改正の決定に当っては、竹田市特別職報酬等審議会条例(平成17年竹田市条例第49号)の規定に基づく審議会意見のほか、財政改革の視点、市政の現状及び課題、将来予測等を考慮して決定するものとする。
第10章 議会及び議会事務局の体制整備
(議会の体制整備)
第15条 議会は、この条例の趣旨に基づく議会運営等を確保するため、常に市民の意見、社会情勢の変化等を勘案して、議会の改革に継続的に取り組むものとする。
2 議会は、議会運営に係る評価及び改善を行い、必要があると認めるときは、この条例の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
3 議会は、政策形成等の機能を充実させるため、議会政策協議会を設置し、その調査及び研究機関として、議員政策研究会を置く。
(議員研修の充実)
第16条 議会は、議員の政策形成等に関わる能力の向上のため、議員研修の充実強化を図るものとする。
(議会広報の充実)
第17条 議会は、市政に係る重要な情報を議会の視点から市民に対して提供するとともに、市民の意見、要望等を取り上げ、その内容及び対応について定期的に公表するものとする。
2 議会は、多様な広報手段を活用することにより、多くの市民が議会と市政に関心を持つよう議会広報活動を行う。
(議会事務局の体制強化)
第18条 議会は、議会の政策立案等を補助する組織として、議会事務局の体制強化に努めなければならない。
(議会図書)
第19条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書の閲覧場所を適正に管理し、その図書、資料等の充実を図るものとする。
第11章 最高規範性
附則
この条例は、平成25年4月1日から施行する。